若手サラリーマンが定額給付金の「おかわり」に反対すべき理由(城繁幸)

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サラリーマンが要求すべきは社会保険料の減額

   そこで提案だが、サラリーマンとしては社会保険料の減額を要求してはどうだろう。1990年代以降、消費税の引き上げを抑制するしわ寄せとして社会保険料は高騰し、すでに30%弱にまで達している。

   これをたとえば1年間の期間限定で20%ほどに引き下げ、手取りを増やすわけだ。ほとんどの人は月1、2万円手取りが増えるはずなので、こちらのほうが一回こっきりの給付金などより、よほどありがたいはず。

   そして、この話には続きがある。多くのサラリーマンはおそらく「自分たちはこんなに天引きされていたのか!」という事実に覚醒するはずだ。

   となれば、たぶん期間終了が近づけば、大きな議論となるだろう。元の天引き額に戻してサラリーマンだけが社会保障を支えるのか。それとも高齢者の医療費の自己負担などを増やすのか。あるいは消費税という形で(高齢者、自営業者も含めて)社会全体で広く薄く負担するのか。

   覚醒したサラリーマンは、高齢者と並ぶ一大勢力となるだろうから、政治も無視はできないだろう。

   余談だが、本来上述のようなポジションは、民主党がつくはずだったものだ。民主党は左に急旋回して空中分解してしまったため、現在そのポジションは空いたままだ。

   無党派層に支持基盤を広げたいという政党なら、狙って損はないポジションだと思うがいかがだろう。(城繁幸)

人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種経済誌やメディアで発信し続けている。06年に出版した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は2、30代ビジネスパーソンの強い支持を受け、40万部を超えるベストセラーに。08年発売の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。ブログ:Joe's Labo
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