サラリーマンが要求すべきは社会保険料の減額
そこで提案だが、サラリーマンとしては社会保険料の減額を要求してはどうだろう。1990年代以降、消費税の引き上げを抑制するしわ寄せとして社会保険料は高騰し、すでに30%弱にまで達している。
これをたとえば1年間の期間限定で20%ほどに引き下げ、手取りを増やすわけだ。ほとんどの人は月1、2万円手取りが増えるはずなので、こちらのほうが一回こっきりの給付金などより、よほどありがたいはず。
そして、この話には続きがある。多くのサラリーマンはおそらく「自分たちはこんなに天引きされていたのか!」という事実に覚醒するはずだ。
となれば、たぶん期間終了が近づけば、大きな議論となるだろう。元の天引き額に戻してサラリーマンだけが社会保障を支えるのか。それとも高齢者の医療費の自己負担などを増やすのか。あるいは消費税という形で(高齢者、自営業者も含めて)社会全体で広く薄く負担するのか。
覚醒したサラリーマンは、高齢者と並ぶ一大勢力となるだろうから、政治も無視はできないだろう。
余談だが、本来上述のようなポジションは、民主党がつくはずだったものだ。民主党は左に急旋回して空中分解してしまったため、現在そのポジションは空いたままだ。
無党派層に支持基盤を広げたいという政党なら、狙って損はないポジションだと思うがいかがだろう。(城繁幸)