緊急事態宣言の再発を受け、ネット上では一律の定額給付金の再支給を求める声がチラホラと出始めている。
前回の支給分がほとんど貯蓄に回ったため、政府は「おかわり」には否定的だが、緊急事態宣言が長引けば、どうなるかはわからない。
ただ、筆者は一律の給付金には基本的に反対の立場だし、特に本連載の主な読者であろう若手のサラリーマンは強く反対すべきだと考える。いい機会なのでまとめておこう。
定額給付金は現役世代から高齢者への「お年玉」
今回のコロナ禍で経済的ダメージを受けているのは、「自粛生活」で給料の減っている現役世代だ。年金は減っていないのだから、高齢者に給付金を支給する意味はまったくない。
しかも、そのツケは現役世代が負担することになる可能性が高い。実際、東日本大震災の復興にともなうコストは、復興特別所得税という形で2037年まで現役世代が負担することが確定している。
現役世代とひと口でいっても、所得を完璧に捕捉されているサラリーマンが主な担い手と言っていいだろう。
試しに、SNS上で「定額給付金のおかわり」を熱心に主張しているアカウントをよく見てみるといい。無職とまでは言わないが、恐らく雇用労働者ではないだろう。
サラリーマンはほとんど知らないと思うが、自営業者のほとんどは持続化給付金という形で最大100万円を、すでに受け取っているし、飲食店なら一日6万円の協力金も受け取れる。
そのうえで、彼らはさらなるバラマキをリクエストしているわけだ。彼らはそれらの請求書が、少なくとも自分たちのところにはこないことをよく理解しているのだろう。