みなさん、こんにちは。馬医金満です。
今週は大人気アニメの「鬼滅の刃」をめぐる商標問題について、見てみます。
ご存じのとおり、映画「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」の売り上げが、2021年1月24日時点で約326億円と、これまで長く首位を走ってきた「千と千尋の神隠し」を上回り、歴代最高売り上げを更新し続けています。
映画の大ヒットに伴い、緑と黒の市松模様など登場人物の着物の模様も「鬼滅柄」として人気となっていますが、便乗商品も多く、出版元の集英社が昨年(2020年)7月に商標出願する事態になっています。
アニメ「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」の人気衰えず
吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)さんの人気マンガが原作のアニメ映画「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」(外崎春雄監督)が2021年1月24日までの観客動員数(累計)で2667万4053人、興行収入が365億5011万4550円に達したと、配給会社の東宝が25日に発表しました。その人気はまだまだ続きそうな勢いです。
そんな「鬼滅」人気にあやかろうと、飲料大手のダイドードリンコが2020年10月に、鬼滅の刃とコラボした缶コーヒーを発売。それが発売後約3週間の販売本数が累計5000万本を突破するなど絶好調。売り上げを大きく伸ばしたことは話題になりました。
また、この2月2日からはコンビニエンスストアのローソンが鬼滅の刃との新たなコラボキャンペーンを全国で展開。ガーナミルクチョコレートやチロルチョコなどの対象商品を購入した人に抽選で「鬼滅の刃」のオリジナルグッズが当たるといいます。「鬼滅」ファンはきっと飛びつくのだろうな、と思います。
鬼滅の刃に限らず、世の中は人気が高まれば高まるほど、こうした「正規」のコラボ商品とは別に、いわゆる「海賊版」が出回るものです。鬼滅の刃をめぐっては昨夏、商標登録の問題が浮上していました。大阪市のある会社が2020年2月に、出版社の集英社が7月に商標登録を出願したのです。これに対して特許庁は7月末に、商標登録を申請した大阪市の会社に、出願を拒絶する通知を出しました。
「鬼滅の刃」が、2016年から20年まで集英社の「週刊少年ジャンプ」に連載されていることや、テレビのアニメ化やさまざまなメディアが取り上げたことで、「『鬼滅=鬼滅の刃』を表す標章として、広く子どもから大人まで認識されている」と説明しています。
つまり、出願申請は大阪市の会社のほうが早かったものの、「鬼滅」を広く認知させた集英社の出願を優先するとの考えを示したのだと思われます。