「コロナ禍が 程よく上司を ディスタンス」
「会社へは 来るなと上司 行けと妻」
毎年恒例となっている第一生命保険の「サラリーマン川柳」の入選作品100選が、2021年1月27日に発表された。昨年9月~10月にかけて、全国の老若男女を対象に募集した。
コロナ禍で、外出自粛に伴うテレワークの推進など、会社での働き方が大きく変わった2020年。新型コロナウイルスへの恐怖と「ニューノーマル」といわれる新たな生活様式への戸惑いを、明るくたくましく詠んだ秀作が目白押しだった。
2000年以降では過去最高の応募数
「サラリーマン川柳」は1987年からスタート。その年の世相を反映するサラリーマンの「喜び」や「悲哀」をユーモラスに表現し、毎年話題となっている。第一生命によると、2020年の応募総数は6万2542作だった。過去最多の応募数は、1994年の7万8985作で、2020年の応募数は歴代5位という。
また、2000年以降では過去最高の応募数だった。加えて若者向けに、2019年から「#フォトサラ」という新ジャンルを設立したことも大きい。
「#フォトサラ」は、あらかじめ5枚程度の写真を提示。それに対して「五七五」の句を詠むという、20代限定の企画。応募総数の増加について、第一生命はその理由を、
「写真を選んで一句詠む20代限定の『#フォトサラ』は、インスタなどの現代のニーズにマッチしていると思われます。また、コロナ禍で巣ごもり生活が長く『応募してみるか』と思った方も多かったこと。それと34年目ということで、認知度も上がってきていると感じています」
と話している。
気になる2020年の入選作は、
「コロナ禍が 程よく上司を ディスタンス」
「会社へは 来るなと上司 行けと妻」
「出勤が 運動だったと 気付く腹」
「リモートで ミュート忘れて 愚痴バレる」
「我が部署は 次世代おらず 5爺(ファイブジイ)」
と、思わず「わかる、わかる!」と思える秀作のほか、コロナ禍によるリモートワークに関する作品が多数あった。
インターネットには、「サラリーマン川柳」の書籍で編者を務める漫画家のやくみつるさんが、
「その年に起きた出来事や流行語を巧みに取り入れながら、クスっと笑わせてくれたり悲哀を感じさせてくれる作品に出会うと、正直やられたなと思います」
と綴っていた。