バッハ会長が心変わり?! 日本、EU入国拒否なのに「東京五輪は予定どおり」発言のホンネ(井津川倫子)

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「バッハ会長の発言トーンが変わってきた!」

   さてさて、ここで考えるのが東京五輪への影響です。「ホワイトリスト」から除外されたということは、日本の新型コロナウイルスの感染状況に懸念が広がっていることの証左でしょう。開催まで残り100日を切るなか、国際オリンピック委員会(IOC)の対応に注目が集まっていますが、渦中のバッハ会長は会見で「強気発言」を繰り返したと各国メディアが大々的に報じています。

'Not losing our time': IOC insists Olympic Games will go ahead in Tokyo
(「ムダな時間はない」とIOCは東京五輪の開催を強調した:オーストラリアのメディア)

   オンライン会見に応じたバッハ会長は、「中止や延期といった選択肢を考えるムダな時間はない」と言い切り、「Our task is to organize Olympic Games, not to cancel Olympic Games」(我々の仕事はオリンピックを開催することでキャンセルすることではない)と強調したそうです。

   日本のメディアを筆頭に、各国メディアは「予定どおり開催する」とするバッハ会長の強気発言をフォーカスしていますが、私が注目したのは米紙USAトゥデイに掲載された専門家の「分析」でした。

   記事によると、バッハ会長は会見の中で、「ロックダウンでレストランに行ったり家族や友達に会えなかったりといった生活を送っている人々にとって、オリンピック開催など想像できない」ということは「個人的には理解できる」と、初めて「人間的なコメント」をした、としています。

   確かに、バッハ会長の他の発言を見ても、「オリンピック開催に向けて理解と忍耐を」と呼びかけたり、「中止や延期について言及するのは選手たちを傷つける」と訴えたりするなど、かなり感情的になってきている印象です。

   「巨額のテレビ放映料のために中止はできない(米テレビ局)」というIOCのお家事情を抱えつつ、ホンネでは五輪開催に「懐疑的」なのではないか......。この先、バッハ会長発言のトーンがどう変わっていくのか、要注目です!

   それでは、「今週のニュースな英語」は、「white list」の使い方をチェックしてみましょう。

EU plan to remove Japan from 'white list'
(EUは日本をホワイトリストから除外する方向だ)

EU plan to remove Japan from 'white list' as soon as possible
(EUは出来るだけ早く、日本をホワイトリストから除外する方向だ)

EU plan to remove Japan from 'white list' as a result of increased virus cases
(新型コロナウイルスの感染拡大で、EUは日本をホワイトリストから除外する方向だ)

   日本の世論調査で「五輪懐疑派」が増えていることが、IOCなど関係者に大きなインパクトを与えていると、複数の海外メディアが報じています。バッハ会長らが強気発言をすればするほど世論が冷めていく......そんな空気をメディアも感じ始めているようです。(井津川倫子)

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井津川倫子(いつかわりんこ)
津田塾大学卒。日本企業に勤める現役サラリーウーマン。TOEIC(R)L&Rの最高スコア975点。海外駐在員として赴任したロンドンでは、イギリス式の英語学習法を体験。モットーは、「いくつになっても英語は上達できる」。英国BBC放送などの海外メディアから「使える英語」を拾うのが得意。教科書では学べないリアルな英語のおもしろさを伝えている。
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