「3年待たされたら潰れる」と総務省に泣きついたMVNO団体
窮地に追い込まれた格安スマホ会社(MVNO)の団体が、総務省に泣きついた動きを、携帯電話専門のニュースサイト「ケイタイWathc」(1月20日付)が「MVNOが『携帯大手の廉価プラン対抗は困難』接続料や音声卸料金の引き下げを総務省に要望」で、こう伝える。
「電気通信事業者の業界団体であるテレコムサービス協会(テレサ協)MVNO委員会は、1月19日に開催された総務省の有識者会議『接続料の算定等に関する研究会』で、格安スマホ向けの接続料や音声卸料金の引き下げを要望した。テレサ協は総務省への要望書で、携帯電話大手による『廉価プラン』の発表をうけ、現行の接続料や卸料金では、これに対抗するサービスをMVNOが実現することが極めて困難であり、大手各社と格安スマホ会社が同じ条件で公正に競争するためのイコールフッティング(対等な立場での競争)を確保するための緊急措置を実施するよう要望した」
「接続料や卸料金」とはどういうことか――。カンタンに説明すると、格安スマホ会社は大手各社の通信回線を借りて、サービスを提供している。その際、使用料として「接続料」を支払っている。また、その中には音声通話のレンタル料にあたる「音声卸料金」(「30秒20円」「30秒14円」など)も含まれている。
総務省は昨年10月、「モバイル市場の公正な競争環境の整備に向けたアクション・プラン」を発表し、こうした「接続料」を3年間で5割減にするという目標を掲げた。ところが、格安スマホ会社の団体は、
「3年間も待っていては、みんな潰れてしまう。大手の廉価プランに対抗できるよう、『3年間で5割減』の目標を前倒しして、接続料のさらなる引き下げを目指す取り組みを速やかに進めてほしい」
と、要望したのだった。
(福田和郎)