開催する、しない!?東京五輪 新聞社説が堪忍袋の緒を切った「中止派」「開催派」の意外な顔ぶれと論調は...(2)

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福島民友「復興五輪の理念忘れないで」と開催希望

東日本大震災からの「復興五輪」ではないかと福島の地元紙は訴えるが...(写真はイメージ)
東日本大震災からの「復興五輪」ではないかと福島の地元紙は訴えるが...(写真はイメージ)

   産経新聞の「精神論」的に思える論調とは異なり、「復興五輪」というスローガンの面から開催を強く主張するのが、東日本大震災の被災地・福島の地元紙、福島民友新聞だ。1月23日付の社説「東京五輪まで半年 実現への道筋早く打ち出せ」では、準備が進む福島の事情をこう訴えている。

「政府や大会組織委、東京都などは、開催を不安視する世論の理解が得られるよう、観客の有無などを含む大会の開催方針や具体的な方向性を早期に決定すべきだ。開幕まで全国を巡る聖火リレーは3月25日にJヴィレッジ(福島県楢葉町、広野町)を出発し、3日間で県内26市町村を通過する。セレモニーなどは簡素化が検討されており、大会組織委と県は、リレーの実施方法や沿道の密集対策などについて調整を進めている」
「スタートまでに残された時間は少ない。早急に具体的な実施内容を明示し、各市町村などが円滑に準備できる態勢を整えてほしい。福島市のあづま球場では開会式(7月23日)に先立ち、7月21日にソフトボール競技が始まる。選手らの検査や出入国の仕組み、競技会場などでの感染症対策は昨年12月に大枠が決まり、大会運営について具体的な検討が進められている」
「現時点では、最大の観客動員を前提にする必要がある。県や福島市はあらゆる事態を想定した柔軟な対応が求められる。各国の選手団は、大会直前に時差調整や練習などで、国内のホストタウンに滞在する計画だ。県内9市町村が11カ国のホストタウンに登録されている。しかし選手の入国後の待機期間中の活動や行動ルールなどが決まっておらず、県内のホストタウンも相手国との調整などが進んでいない。各自治体の受け入れ準備への支援が必要だ」

   そして、福島民友新聞は「復興五輪」という理念を忘れないでくれと、こう結ぶのだった。

「東京五輪・パラリンピックは『復興五輪』が大会理念だ。東日本大震災の復興の姿を世界に発信し、これまでの支援への感謝のメッセージを伝える機会になる。政府や大会組織委は、復興五輪が大会の最も重要な柱であることを忘れず、コロナ禍の克服に全力を挙げなければならない」

   いずれにしろ、開催に反対する新聞、開催を求める新聞双方ともに、何も決められずにいるIOC・政府・組織委・東京都に怒りを募らせているのは確かだ。

(福田和郎)

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