開催する、しない!?東京五輪 新聞社説が堪忍袋の緒を切った「中止派」「開催派」の意外な顔ぶれと論調は...

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はっきり「中止」を打ち出す中国新聞と高知新聞

   中国新聞の社説(1月18日付)「東京五輪 中止も想定すべきでは」は、スポーツの競技そのものが感染拡大の危険を負っていると強調する。

「感染急拡大は世界でも昨年(2020年)秋以降、欧米を中心に深刻になっている。これでは半年後とはいえ、安全な開催を確信できないのも無理はなかろう。『3密』を避けられない競技や合宿など、スポーツには感染リスクが伴う。実際に今月、相撲界では力士たちが共同生活する部屋で集団感染が発生した。水球では、日本代表候補合宿に参加していた選手が陽性と判定され、合宿は中止となった」
「コロナ禍は、五輪に対する国民の期待をしぼませた。再延期すべきだとの私見を表明したメダリストもいる。ボートで『金』を4個得た英国のマシュー・ピンセント氏は『順番変更を求め、2024年まで延期すべきだ』という。開催を4年ずつずらし、パリを28年、ロサンゼルスは32年とする案だ。検討に値するのではないか。五輪中止も含め、政府はあらゆる対応策の検討を急ぐべきだ。開催の決意ばかり語っても、冷めかけた国民の心に火はつくまい」

   地方紙の高知新聞社説(1月26日付)「東京五輪 現実に即した議論進めよ」も、「中止」という言葉を見出しにこそ使っていないものの「中止せよ」という論調を、在京の主要紙よりも強く打ち出している。

「開催する、の一点張りでいいのか、懸念せざるを得ない。開催に当たっては、各国の国民の理解が欠かせないのではないか。1月初旬の共同通信による世論調査では『中止するべきだ』が35.3%、『再延期するべきだ』が44.8%で、計80.1%が見直すよう求めた。五輪よりコロナ対策を重視する考え方の裏返しとみていいだろう。現実に基づいて議論を進めるべきだ。再延期や中止を含め、早急に検討するよう求める」
「陸上女子1万メートル代表の新谷仁美選手は、テレビ取材に対し『アスリートとしては賛成、一国民としては反対』と率直に心境を語った。年齢や体力から東京五輪を競技人生の締めくくりと位置付ける選手は複雑な心境だろう。 『人類がコロナウイルスに打ち勝った証しとして』。安倍政権から続いてきた前のめりの決意ではなく、誰もが納得できる方向を示すべき時だ」

(福田和郎)

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