2020年の首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の1都3県)の新築マンション発売戸数は、前年比12.8%減の2万7228戸だった。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、1992年以来、28年ぶりの3万戸割れとなった。不動産経済研究所が2021年1月25日に発表した。
一方で、1戸あたりの平均価格は、1.7%高い6084万円。1973年の調査開始以降、バブル期の90年(6123万円)に継ぐ2番目の高さとなった。
モデルルームが減少、一方で人件費が高騰
新築物件の販売戸数は減っているのに、1戸あたりの平均価格は上昇――。その理由を、不動産経済研究所の担当者に聞くと、
「まずコロナ禍で、モデルルームの開催が減ったことが大きいと思われます。加えて、人手不足によって、現場の人件費が高騰したことで、販売価格が高くなったと考えます」
という。
加えて、一部報道では「立地のいい物件に、不動産業者がこぞって参入していることで、価格高騰が起きている」といった情報もある。
しかし、同研究所では「想定内」だったようで、担当者は、
「当初は2万件前後で推移するとの予測もありました。ただ、コロナ禍による巣ごもり生活もあって、在宅時に『物件検索』の数字が上がったこともあるのではないでしょうか。そういった関係もあると考えられます」
と話している。