「頑張らずに思い切って休んでしまうのも方法です」
――人が良すぎる投稿者は、結局、我慢する道を選んだようです。投稿者や、同じ境遇で悩んでいる人たちに、川上さんならどうアドバイスしますか。
川上さん「コロナ禍さえなければ働きやすく、給与面で恵まれていた職場なので、投稿者さんはなかなか強気に交渉をしづらいのではないかと思います。ただ、ワクチンが開発されたとはいえ、コロナ禍の終息が見えたわけではありません。我慢するだけだといずれ体調を崩してしまうのではないかと心配です。
投稿者さん自身が長く健康に働き続けるために、そして、コロナ禍が長引いても会社自体がスムーズに業務運営できるようにしていくためにも、粘り強く改善策を出し続けることをお勧めしたいと思います」
――トップの目配りが重要になりますか。
川上さん「投稿者さんに集中している業務は、俗に言われる『名もなき雑務』です。『名もなき雑務』の最大の問題は、その存在を認識していない人にとっては、『見えない雑務』である点です。社長さんには、それがはっきりとは見えていないのではないでしょうか。
一方、今は在宅勤務中でも、出勤時はその雑務に対処していたほかの事務員の方々には、見えているはずです。もっと積極的に投稿者さんをヘルプしてくれてもよいのに、と思ってしまいます。ほかの事務員たちが見て見ぬふりをしていると仮定すると、当番制で出社する提案をしても、協力を得るのは難しいかもしれません。
やはり、トップダウンで職場体制を改善してもらうことが、最も現実的な解決策と考えます。権利を強く主張して事を荒立てる対決スタンスではなく、投稿者さん自身にとっても会社にとってもプラスになるような形で、職場をより発展させる提案を粘り強く出していただきたいと思います。
とはいえ、ただでさえ疲弊している中で、それは大変なことです。思い切って休息をとっていただきたいと思います。投稿者さん自身の健康保持に必要な休息であることはもちろん、投稿者さんに戦力として長く働き続けてもらうために、会社にとっても必要な休息です。また投稿者さんがお休みを取ることで、投稿者さんが置かれている状況が、他の人にも『見える』ようになるきっかけにもなるかもしれません」
(福田和郎)