予約の仕組み、お客様対応をカイゼン
じつは、本書がタイトルに掲げる「カイゼン」の真相は「プレミアム・ハイスピード」ではなく、これを商品化するために取り組んだ「改善策」のことだ。「予約の仕組みのカイゼン」、「お客様対応のカイゼン」、「教習内容のカイゼン」と3つが挙げらえている。
その一つ、「予約の仕組みのカイゼン」をみてみよう。教習所の予約は、どこのスクールでも、たいてい同じシステムで、高石自動車スクールでも、お客である教習生がパソコンやスマートフォンを使って自分自身で管理する。
キャンセルは簡単で、天気が良くないという理由だけでキャンセルする教習生も少なくない。しかも、とくに繁忙期ではいったんキャンセルすると次の予約が非常に取りにくくなる。だから教習のスケジュール管理を教習生に任せておくと、なかなか免許がとれない原因になる。そこで藤井社長は教習のスケジュール管理を、スクール側が主導権を持って行うようにすることで「免許取得を達成できるようサポートしていく仕組みを採用した」。
「サポート」は、「お客様対応のカイゼン」につながる。藤井社長は、教習所が生徒となるお客にとって、運転を習いに通う場所であるにもかかわらず、居心地がよくない場所であること承知しており、その改善のため、入学から卒業までをケアする「お客様係」を、「プレミアム・ハイスピード」の導入とほぼ同時にスタートさせた。
お客様係は教習生一人に対して、指導員一人が「担当」に付く。そのケアは、
(1)教習生のスケジュール確認・長欠の際の来校促進
(2)入学時・仮免取得時・卒業時に「ありがとう・おめでとうコール」を行う
(3)入学時・仮免取得時・卒業時、長欠時にハガキを出す
(4)卒業時に「ありがとう・おめでとうレポート」を社長宛に提出
という内容だ。