コロナ禍こそ必要なリーダーシップ USJをV字回復させた森岡毅さんが説く「誰もがなれる」

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ギリギリの正解を見つけるリーダーシップを

   2020年4~5月の緊急事態宣言時、森岡さんが再建にかかわったUSJも東京ディズニーリゾート(TDR)も、すぐさま臨時休園になった。

「巨大パークの内情をよく知る私には、社会的使命の放棄があまりにも早すぎると思いました」

と森岡さん。「私ならばあんなに早くは閉めません」

「TDRもUSJも最大手なのですから、自分を守ることだけでなく、社会全体への影響を考えるべきです。100か0ではない、その間のギリギリの正解を見つけるリーダーシップをぜひ発揮していただきたかったです」

   森岡さんがこう振り返るのも、次のようなことがあったからだ。

   USJが休園になったあと、森岡さんのマーケティング会社が支援するテーマパーク「ネスタリゾート神戸」は営業を継続していた。すると、「TDRやUSJが閉めているのに、どうして閉めないんだ」という声が攻め寄せてきたという。

   ネスタリゾートの施設はほとんどが屋外にあって、「密」になりにくい科学的根拠に基づいての営業継続だったが、そういうことについては聞く耳を持たない集団ヒステリーに襲われた。

   コロナ禍でのリーダーシップ不在の弊害は、対面授業をストップし続けた大学、春だけではなく夏も中止した高校野球の甲子園大会にも及んだと、本書は指摘する。

   コロナ禍の「被害」は、その不在が影響した可能性があるリーダーシップ。本書では、「日本人のリーダーシップはなぜ育たないのか」についても検討する。

   そして、そのうえでリーダーシップの育成について解説、「人付き合いがとても苦手」という著者自身のリーダーシップをめぐる「悪戦苦闘」が具体的に述べられ、スキルを身につけるプロセスがリアルに迫ってくる。

「誰もが人を動かせる! あなたの人生を変えるリーダーシップ革命」
森岡毅著
日経BP
1700円(税別)

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