コロナ禍で厳しい経済状況が続くなか、株価は異様な盛り上がりを見せた2020年。今年に入っても、日経平均株価は2万8242円21銭(2021年1月18日終値)と高値を維持している。
お金に余裕があり、株式投資に勤しむ者とそうでない者の「格差」が叫ばれるなか、個人投資家たちは、どのように資産を運用して激動の2020年を乗り切ったのか――。
3月の底値で「買い」!
情報サイト「やさしい株のはじめ方」を運営するライフパートナーズの調査によると、 「2020年の運用成績を教えてください」との問いに、67.4%の個人投資家がプラスで、21.5%がマイナスという結果となった。10.9%がプラス・マイナスゼロだった=下グラフ参照。
コロナ禍で、外食産業や観光業、輸送(鉄道や航空)をはじめ多くの企業の業績が悪化したものの、株価は「別もの」のように上昇。バブル崩壊後の最高値を更新してきた。多くの個人投資家が、その波に乗ったようだ。
運用実績がプラスだった投資家で多かった理由は、投資のタイミングが「コロナショックで相場が急落した際に、割安になった株を購入した」ときだった。
同社は「投資手法にかかわらず、相場の急落をチャンスととらえて投資した場合ほど、良い運用成績を残すことができた」とみている。
そのほかの目立った回答として、
「コロナ禍でも業績が伸ばせる銘柄を選んだから」
「業績を見て株を買ったので3月の底値でも継続保有できた」
という声もあった。
一方、マイナスの成績だった投資家の中で多かった理由が、
「コロナショックで下がった株価が戻っていない」
「暴落で狼狽売り(株価が急落したときに動揺して売ること)してしまった」
「投資の勉強や銘柄の分析をせず、日々の変動だけを見て売買してしまった」
という回答だった。
コロナ禍の影響が大きい業界の株式を持っていたり、日経平均株価の急落につられて狼狽売りしてしまったりした投資家の成績は、芳しくなかったようだ。
また、投資手法をみると、もっとも多かったのは、割安株(バリュー株)投資だった=円グラフ参照。