「世界初」の自動改札機導入
小林がリードしてきた先進性は、その後もさまざまに発揮され、阪急の「別格」ぶりを支えている。1967年に実施した「世界初」の自動改札機導入と革命ともいわれた。大阪・梅田周辺の街づくりは、大阪発展の象徴とされる。
近年の私鉄の「特急」「観光列車」の流れにのり、阪急でも2011年に初の観光列車「京とれいん」の運行を開始。2019年には豪華車両を使った「京とれいん 雅洛」を導入。運賃だけで乗車できると、阪急の評判を押し上げたという。
鉄道ではまた、ひらがなをメーンにした白い文字の駅名標や、変わらぬ車両のマルーン色についてなど、阪急の「別格」を演出している細部にまでわたりレポート。鉄道ファンでなくても楽しめる。
著者の伊原薫さんは、1977年大阪府生まれ。鉄道ライターであり、京都大学大学院都市交通政策技術者でもある。鉄道や旅行、ビジネス系の雑誌や、ウェブメディアで執筆活動をするかたわら、地域公共交通に関する講演、アドバイスなどを行っている。本書で「阪急沿線」の住人であると明かしている。
主な著著に「『技あり!』の京阪電車」(交通新聞社)、「大阪メトロ誕生」(かや書房)、「国鉄・私鉄・JR 廃止駅の不思議と謎」(共著、実業之日本社)などがある。
「関西人はなぜ阪急を別格だと思うのか ブランド力を徹底検証!」
伊原薫著
交通新聞社
900円(税別)