なんだか目に止まってしまう広告って、ありますよね。
「今年こそダイエット!自宅でできるトレーニング」
「子育て世代必見!住宅情報」
など、自分が日頃意識していることが目の前の広告に書かれていたら、ついつい見てしまったという経験のある方は多いと思います。
「カラーバス効果」という言葉を聞いたことはありますか?
カラーバス効果とは、ある一つのことを意識すると、それに関する情報が無意識に自分の手元にたくさん集まる現象のことです。カラーバスとは「color(色)」を「bath(浴びる)」という意味です。
カラーバス効果を営業や広告作りに活かす
カラーバス効果とは、次のような時に起こります。たとえば、「今までの5分間で、あなたが見た赤いものを書き出してください。」と言われても、ひとつかふたつ答えられればいい方だと思います。ですが、「今から5分で、あなたが見た赤いものを書き出してください。」と言われると、スラスラ書けるはずです。
意識するものをしっかり決めると、その情報が飛び込んできます、色も同じで、ふだんはなかなか意識しない色でも、意識して見れば、その色が街中に溢れていることがわかります。実際、下の写真を見ても、赤が気になるかもしれません。
このように人は、自分が意識していることを中心に、モノを見ています。このカラーバス効果を使えば、営業や広告作りに活かすことができます。
たとえば、「キャンペーンを成功させたい」「売り上げをあげたい」と思った時に、営業側が「成功」「売上」など自分達のメリット考えると、過剰なアプローチに走ってしまうかもしれません。ですが、「お客様は今何を求めているのだろう?」と相手目線の情報を集めると、施策の内容が具体的になってくるはずです。
自分がふだん意識しにくい情報を集める時に、カラーバス効果を使って、本当に必要な情報を集めるようにするのがオススメです。
具体的に「意識できる」ようにする
広告では文字どおり、色の効果を使うことができます。たとえば、新商品を打ち出す時に、「金運グッズは黄色の●●で」というキャッチコピーと共に、広告の色も黄色を基調とする広告を出します。すると、金運が気になる人は、「黄色の●●」というグッズを意識してくれるようになります。
お客様は、自分のニーズにあった商品だと認識した途端に、気になってきます。カラーバス効果で、自社の商品を見つけてもらう確率が高まるのです。
色の現場でもそうです。わたしはスタイリストとしてお客様に似合う色をお伝えすることがあります。派手な色をお伝えすると、だいたいのお客様には「えー!こんな色のニット売ってる?」と、ビックリされてしまいます。
ですが、次にお会いした時に聞いてみると「あのあと買い物に行ったら、オススメされた色のニットを見つけました! 最近よく見かけるんです!」と言われるんです。これはスタイリストの中では、あるあるの話です。
そして、カラーバス効果はビジネスだけでなく、自分の今年の目標設定にも使えるんです。たとえば、今年は「体脂肪率●●%になる」と決めたら、日々それを具体的に意識できるようにしておきます。見えるところに貼っておいたり、スマホにリマインドがくるようにしたり、意識できる回数を増やすほど、達成する確率は高まります。
このようにカラーバス効果とは、情報収集のきっかけとなります。そして、今年の目標を叶えるためにも使える技術です。ぜひ、ビジネスでも日常でも、カラーバス効果をうまく活用してみてくださいね。(入澤有希子)