米国のバイデン次期大統領(第46代)の就任宣誓式が、日本時間2021年1月21日に、ワシントンの連邦議会議事堂前で行われる。
連邦議会では大統領選挙の結果認定が進められていた1月6日、トランプ大統領の支持者に襲撃される事件があり、就任式ではその再発の可能性があるとして、異例の厳戒体制が敷かれている。
米メディアによるとバイデン氏は就任演説で、喫緊の課題である新型コロナウイルスによる感染拡大防止策と経済政策を示す一方、トランプ政権で進んだとされる社会の分断解消のため、国民の結束を訴える。
ワシントン厳戒、トランプ氏欠席の就任式
連邦議会議事堂を起点に西へ約3キロメートルにわたって延びる国立公園「ナショナルモール」は、大統領就任式では通例、全米から支持者ら数十万人が集まり新しい4年間の始まりを祝う場となるのだが、今回は閉鎖され、市内の通りでは要所にバリケードフェンスが置かれ通行が規制されている。
就任式典の実行委員会では、参集の自粛を呼び掛けている。式典後に行われる新大統領夫妻のパレードや、複数の会場で開かれる祝賀会はオンライン配信される予定だ。米連邦捜査局(FBI)は、ワシントンばかりではなく、各州の州議会議事堂で武装を伴うデモが起こる可能性があると警告しているという。
就任式のプログラムも異例のものとなる見込み。というのも、トランプ大統領が、バイデン次期大統領の就任式には出席せず、恒例の引き継ぎを行わないからだ。トランプ氏は最後のツイートで、就任式欠席の意思を述べていたが、そのとおりに行動するらしい。
米メディアによると、ワシントン郊外の空軍基地で独自の退任式が予定されている。同基地から大統領専用ヘリか飛行機で、退任後の住まいとするフロリダに向かうという。
退任する大統領が後任者の就任式に不在なのは、1869年にアドリュー・ジョンソン大統領がユリシーズ・グラント次期大統領の就任式を欠席して以来152年ぶりだ。