開発に5年を費やす
「サクラチョウテンガン」は弥富の品種で、丸い体に紅白のまだら模様が特徴の「サクラニシキ」と、中国でデメキンの突然変異種として誕生した「チョウテンガン」を交配(人工授精)させ、誕生へと漕ぎ着けた。
「目がしっかりと上を向いている」
「赤くきれいな桜模様」
「背びれがない」
「尾びれが開いている」
といった特徴があり、体長は当歳魚で8センチほど。約3年で15センチ程度にまで成長する見込みという。開発までに、5年を要した。
水産試験場弥富指導所の担当者は、その理由を
「たとえばメダカの場合、ヒーターを入れた水槽で飼っていると1年中が産卵期なんですね。でも、金魚の場合、産卵期は3月下旬から6月ぐらいまでと決まっているので、その分時間がかかりました」
と話す。
一度誕生に成功した親同士を厳選して、さらに人工授精を続ける。そうやって開発を続け、手塩にかけて育てきた。まだ希少品種のため、当歳魚の市場価格は2万5000円ほどという。