東京株式市場の日経平均株価は2021年に入って、高値更新が続いている。昨年末から2000円超もの急騰とあって、売りを警戒する向きもある。
1月20日、ジョー・バイデン氏が第46代の米国大統領に就任する。現在、民主党が上下両院とも多数派を占めることから、円滑な政策運営とともに米国経済の持ち直しが期待されている。米国株を後押し、勢い日本株も......。
どうなる!? 年末年始の株式・為替マーケット!
東京株式市場 株価の下値は堅そう
日経平均株価予想レンジ:2万8000円~2万9000円
2021年1月15日(金)終値 2万8519円18銭
今週の東京株式市場の日経平均株価は、もみ合いか。
前週の日経平均株価は3週連続の上昇となった。一時は2万9000円に迫る場面も見られた。米国の好調な経済指標や米国の長期金利上昇が一服したことで、米国株の堅調な動きが日経平均株価の支援材料となった。
今週の日経平均株価は、もみ合いとなりそうだ。日経平均株価は1月に入って1500円以上の上昇となっており、高値警戒感も出てきている。
2万9000円に接近すれば利益確定売りが予想される。加えて、新型コロナウイルスの感染拡大に対する警戒感も強い。ただ、14日にFRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長の「金融緩和政策の出口議論は時期尚早」との発言で米国株が上昇したように、世界的な大規模な財政出動と低金利政策による過剰流動性相場が続いており、下値は堅そうだ。
東京外国為替市場 米長期金利の上昇はひと段落
ドル・円予想レンジ:1ドル=1ドル=103円00銭~105円00銭
2021年1月15日(金)終値 103円87銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルの上値が重い展開か。
前週のドル円相場は、ドルの上値が重い展開だった。米国の追加経済対策がドルの下支えとなっているものの、4日にFRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長の「緩和政策の出口議論は時期尚早」との発言や新型コロナウイルスの感染拡大で、米国の長期金利の上昇が一服したことで、ドルの上値が重くなった。
今週のドル円相場は、引き続きドルの上値が重い展開となりそうだ。20日に行われる米国の大統領就任式でバイデン大統領が誕生する。バイデン政権による経済対策、財政出動による国債増発は米国の長期金利の上昇要因となり、ドルの支援材料となるものの、引き続き新型コロナウイルスの感染拡大への警戒感は強く、ドルの上値は重そうだ。
経済指標は、国内では18日に11月の鉱工業生産(確報)、20日に日本銀行の金融政策決定会合(21日まで)、21日に日銀の黒田東彦総裁会見、12月の貿易収支、22日に12月の全国消費者物価指数などが予定されている。
海外では、18日に中国の10~12月期 GDP(国内総生産)、中国の12月の鉱工業生産と小売売上高、20日に米大統領選就任式、21日にECB(欧州中央銀行)定例理事会、米国の12月住宅着工件数、22日に米国の12月の中古住宅販売などが予定されている。
(鷲尾香一)