「世論を気にするあまり、菅さんがおかしくなっている」
「(世論調査を気にするあまり)菅さんがおかしくなっている」(官邸幹部)
と報じるのは週刊文春(1月21日号)の「『菅さんがおかしくなっている』二階も逃げ始めた」だ。同誌に、官邸幹部がこう語った。
「(世論調査に過敏になった)首相がこの年末年始に繰り出した一手が相次ぐテレビ出演です。本人は『記者団に聞かれる会見より、キャスターと一対一のほうが得意』と自負していました。ところがかみ合わない回答に終始する収録場面が流された末、スタジオでは『国民の声と乖離している』と切り捨てられた。首相は『酷くないか』とショックを受けていましたが、自業自得という面は否めません」
現職閣僚の一人も、同誌にこう語ったのだった。
「テレビに出れば出るほど世論の反発を招いている。頑なになって、正しい判断ができていない状態だ」
こんな菅首相が一縷の望みを託すのが「ワクチン接種」から「東京五輪開催」に道筋をつけるシナリオだという。だが、五輪組織委のキーマンで、元電通専務の高橋治之理事が同誌にこう実情を語っている。
「今は『やります』と言うしかないでしょう。森喜朗会長も『やると言うしかしょうがないよね』と漏らしていました。一方で再延期はありえない。アスリートだってモチベーションは続かないし、世の中の盛り上がりももう持たない。最終判断は5月ごろになるのでは。ただ中止になっても、IOCも組織委も興行中止保険に入っている。お金の問題は何とかなるのではないか」
問題は、二階俊博幹事長らの「菅おろし」の動きが加速した場合、それまでに菅首相がその座にいられるかどうか、だと同誌は結んでいる。
今回のドタバタ対応と言えば、外国人の入国停止問題もそうだった。
イギリスなどで新型コロナウイルスの変異種の拡大を受け、政府は昨年12月28日、全世界を対象とした入国緩和策を停止。しかし、その後も中国・韓国やベトナムなど11か国・地域からビジネス関係者の入国を認めていたのだ。
ところが、自民党からも猛批判の声が起こり、菅首相は方針転換に追い込まれた。そのお粗末ぶりを朝日新聞(1月14日付)「水際対策右往左往 ビジネス入国 首相肝いり裏目」が、こう伝える。
「緊急事態宣言の発出に向けて、内閣官房や関係省庁は1月4日、1か国・地域からの入国も全面停止する方向で検討に入った。ところが翌日、首相の強い意向を受けて継続が決定。首相のこだわりの背景には、技能実習生らの受け入れを求める経済界の声があったとみられる」
(福田和郎)