若手社員が在宅勤務・テレワークをする際に課題になる点を、企業の人事担当者に聞いたところ、「モチベーションの状態をつかみにくい」ことが77.6%で最も多いことがわかった。就職情報サービスの学情が2021年1月12日に発表した。
7日に首都圏1都3県を対象に緊急事態宣言が発令されたことで、出社する社員の比率を下げることを検討、実施する企業が増えるなか、若手社員のモチベーションの把握や、育成・戦力化に課題を感じる人事担当者が増えているとみられる。
「モチベーションの状態がつかみにくい」ことが課題
企業のテレワークの実施状況は2020年12月時点で、「以前(新型コロナウイルス感染拡大前)から導入し、現在も実施している」と答えた企業が7.4%、「新型コロナウイルス対策として導入し、現在も実施している」が52.3%で、テレワークの実施率は59.7%だった。
「新型コロナウイルス対策として導入し、現在は実施していない」企業は18.8%、「導入検討中、導入準備中」が5.8%。「導入予定はない」と答えた企業も15.7%あったが、緊急事態宣言が1都3県と大阪府や京都府、愛知県、福岡県などに拡大されることから、今後「実施」に踏み切る企業は増えるとみられる。
そうしたなか、企業の人事担当者に聞いた、若手社員が在宅勤務・テレワークをする際に課題になる点は「モチベーションの状態をつかみにくい」が77.6%で最多。次いで、「報連相などのコミュニケーション不足」が65.8%、「作業の進捗状況や成果の把握が難しい」56.0%と続いた=上図参照。
「コミュニケーションを取る機会が減っているので、様子がわかりにくい」
「プロセスの評価がしにくくなった」
「オンラインでは、双方向のやりとりや細かな心情などの把握に限界を感じる」
などの声が寄せられた。
人事担当者も若手社員も、働き方に悩む...
コロナ禍の影響は深刻なようだ。
企業の人事担当者からは、
「例年よりも入社1年目での退職が増えた」
「1年目での退職が例年はない職種でも、今年は退職が出てしまった」
という報告もあったという。
ただ、2割台にとどまるものの、
「残業などの労働時間を把握しにくい」
「オンラインツールの活用が不十分」
との声もあった。
その一方で、
「テレワークで使用するチャットやWeb会議システムは、中堅・ベテラン社員より使いこなせている若手社員も多い」
「若手社員は、オンラインツールは問題なく活用できている」
などといった、いわゆるジェネレーションギャップも指摘されている。
学情の広報担当者によると、「コロナ禍の折、企業の人事側は『新人や2~3年生といった若手とのコミュケーションが取りづらい』、一方で若手社員側は『顔を合わせていない上司との関係性が築きにくい』といった働き方ギャップが生じたデータに思えます」と分析している。
なお調査は、2020年12月11日~18日に、企業の人事担当者にインターネットで実施。有効回答数は688件だった。