総務省「スマホ乗り換え相談所」に批判の声殺到!「税金使ってこのプランがオススメ、あそこはダメ」ってアリ?(1)

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事業者選定で電通が中抜きしたような構図が心配だ

   そして、記者団から、

「スマホ乗換え相談所は、携帯各社の競争政策の一環としての取り組みかと推察するが、一方で、民間でも手がけられる事業ではないか、なぜ総務省が実施するのかという声もあり、手がける理由が今ひとつ伝わっていない。総務省が進める意義、背景は何か」

と問われると、武田総務相はこう答えたのだった。

「国自身が相談所を創設して運営するわけではない。携帯電話料金問題で一番重要なのは、利用者が自分のニーズを把握し、それに見合ったサービスを合理的に選択しているかどうかがだ。今まではわかりにくい説明を事業者から出されていた。モバイルのメニューに精通していない人にも、しっかりとした説明がやさしく丁寧にできる環境を作り上げるのは大事なことだ」
「中立的な立場で、携帯電話事業者から相談に乗ってもらう環境を作り上げていく。そのため、来年度(2021年度)に『乗換え相談所』のモデル事業を実施する。2022年度以降にビジネスベースでの事業を展開していきたいと思っている。実証事業の中で、1日当たりの相談者数や乗換えに至った契約者数等をしっかりと我々が把握し、様々な問題解決に生かしていきたい」

   まずは、政府委託のモデル事業として始め、ゆくゆくは民間事業に育てていくつもりのようだ。

   ネット上では、総務省が始めようとしている「携帯電話乗換え相談所」については、さまざまな批判の声があがっている。

   フリーランスジャーナリストの山口健太氏は、総務省の狙いをこう指摘した。

「総務省は携帯料金の理解促進や乗り換えの円滑化を進めており、『スマホ乗り換え相談所』もその一環と考えられる。実際の運営は民間に委託するというから、家電量販店の中に相談コーナーができるようなイメージだろう。いま話題の低料金プランの『アハモ』や『SoftBank on LINE』はオンライン専用で、店舗でのサポート対応はない。すべてがオンラインに移行すると困る人もいるので、そこを補完する目的では一定の効果がある。とはいえ、政府の値下げ要請により大手キャリアが安価なプランを拡充したことで、携帯市場では大手による寡占化が進む。総務省はキャリア間の乗り換えを進めたいようだが、実際には同じキャリア内でのプラン変更を選ぶ人が増えそうだ」

   ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタントの神田敏晶氏は、総務省は他の方面に力をふるうべきだと批判した。

「総務省はいつから家電量販店のような事業をやるようになったのか。総務省は携帯電話料金ではなく、そもそもの解約や契約の難しさに対しては本来の権限で力をふるうべきだ。たとえば、新しいプランを1か月だけ試して、何もなければ簡単に元に戻せるようにするとか、MNP(携帯電話番号ポータビリティー)の変更期間を2週間ではなく、3か月間有効にするとか、常に通信会社が満足度をあげる努力を続けなければならない状況を作り出すことが重要だ。ウェブサイトの解約ページがロボットにクロールされないようにnoindex(編集部注:指定したURLをgoogleなどの検索エンジンにインデックスさせないための仕組み)になっており、解約で検索してもたどりつけないなど、改善点はいくらでもある。こういった場面に切り込んでいかないと、(予算の)1.4億円を使って実験店舗を運用したところで、結局、家電量販店の販促費に化けてしまうだけだ」

(福田和郎)

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