コロナ禍の雇用情勢や働き方で想定外の変化が生じているなか、クローズアップされている「副業」。人材情報サービスのマイナビが運営する転職情報サイト「マイナビ転職」が、副業をめぐる状況や人々の考え方や意識について調査したところ、副業経験者が副業で得たい月収は平均で13万2546円だったのに対して、実際に副業で得ている月収は平均5万9782円と、希望額の半分以下だったことがわかった。
荻田泰夫編集長は「副業で希望する収入を得るのは難しいということが今回の調査わかった」と述べている。
「小遣い増やしたい」がトップ
調査によると、副業を始めた理由で最も多かったのは「小遣い・趣味に使える収入を増やしたい」(52.8%)だった。「将来への備え・貯金を増やしたい」(48.3%)、「将来の収入への不安を感じた」(40.4%)が続く=下図参照。
政府は2019年4月施行の働き方改革法で副業・兼業を盛り込こみ、企業に副業解禁を促した。その理由には、「新たなスキル開発になる」「オープンイノベーションや起業の手段になる」「第2の人生の準備に有効」など。今回の調査では、スキルアップや人脈作りなど、キャリア形成やライフワークへの期待から副業を始めるという割合はそれぞれ2割程度にとどまり、コロナの影響による雇用の悪化や将来へ不安がにじむ様子がうかがえた。
とはいえ、「収入増」や「将来に備えて」という動機は、実際にはどうだったのだろう――。調査によると、副業経験者が副業で得たい月収は平均で13万2546円。これに対して実際に副業で得た月収は平均5万9782円。その差は7万2764円で、希望額の半分以下だった。