変異種を含む、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が続くなか、国内では2021年1月8日から、1都3県に緊急事態宣言が発令された(~2月7日)。飲食店などの20時までの営業自粛がはじまり、成人式を中止、延期した自治体があったものの、この3連休の人出は昨春ほどの抑えられてはいないようだ。11日も全国の感染者数が2600人を超えた。先行き不透明感の高まりで、日経平均株価の上値は重くなりそう。
ドル円相場も、ワクチン接種への期待感よりも景気の減速懸念は根強く、金融緩和の長期化観測がもう一段のドル高を抑えるとみられている。
どうなる!? 年末年始の株式・為替マーケット!
東京株式市場 緊急事態宣言、株価の上値抑える
日経平均株価予想レンジ:2万7500円~2万8500円
2021年1月8日(金)終値 2万8139円03銭
今週の東京株式市場の日経平均株価は、2万8000円をめぐる攻防か。
前週の日経平均株価は上昇し、30年5か月ぶりとなる2万8000円台に乗せた。米国での上院選で民主党の勝利が決まり、上下両院で民主党が多数を占め、民主党のバイデン次期大統領とともに、民主党政権が確実となったことで、さらなる追加経済対策、大規模な財政支出への期待が高まり、米国株が上昇したことが日経平均株価の上昇を演出した。
今週の日経平均株価は、2万8000円をめぐる攻防となりそうだ。新型コロナウイルスの感染再拡大の中で、世界的な金融緩和と大規模な財政支出による「カネ余り」が相場の強い下支えになっているうえ、米国での民主党政権誕生に対する期待感が相場の支援材料になっている。
とはいえ、新型コロナウイルスは変異種の発生も含め、爆発的な感染拡大が続いている。国内でも2度目の緊急事態宣言が発令されており、日経平均株価の上値を抑えることになりそうだ。
東京外国為替市場 米民主党政権の誕生、ドル支援の材料に
ドル・円予想レンジ:1ドル=1ドル=102円50銭~105円00銭
2021年1月8日(金)終値 103円93銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、上値の重い展開か。
前週のドル円相場は、強含みで推移した。前週半ばに1ドル=102円台だったドルは、米国での上下両院で民主党が多数を占めることが決まり、民主党のバイデン次期大統領による追加経済対策、大規模な財政支出への期待が高まりから、ドル買いが優勢となり、1ドル=104円台に上昇した。
今週のドル円相場は、ドルの上値が重い展開になると見られる。米国の民主党政権の誕生はドルの支援材料になりそうだが、新型コロナウイルスの感染拡大が続いていることで、金融緩和策の長期化、追加の緊急緩和観測がドルの上値を重くしている。
新型コロナウイルスの感染拡大による米国の景気減速、世界経済への影響に対する懸念も強い。
経済指標は、国内では12日に11月の国際収支、13日に12月の工作機械受注、14日に11月の機械受注、また日本銀行で1月の地域経済報告と支店長会議などが予定されている。
海外では、13日に米国の12月の財政収支と消費者物価指数、14日に中国の12月貿易収支、15日に米国の12月の小売売上高と生産者物価指数、鉱工業生産などが予定されている。
(鷲尾香一)