コロナ禍で、来春(2022年3月)卒業予定の大学生・大学院生の「転勤」に対する考え方に、変化が表れている。
就職情報サービスの学情(東京都中央区、大阪市北区)によると、「転勤のない企業」への就職を希望する2022年3月卒の学生が70.0%。また、63.7%の学生がコロナ禍で「転勤のない企業を希望するようになった」と答えた。2021年1月6日に発表した。
「ステイホーム」や「帰省(移動)の自粛」などで家族との関わり方が見直されたこと、またコロナ禍での生活様式や働き方の変化、オンライン面接などの就職環境の変化が、学生の「転勤」への考え方に影響をもたらしているようだ。
理由は「コロナ禍で家族を大切にしたいと思った」
調査によると、「転勤のある企業と、転勤のない企業のどちらを希望するか」の問いに、31.7%の学生が「転勤のない企業」と、また38.3%が「どちらかと言えば転勤のない企業」と回答。合わせて、70.0%の学生が「転勤のない企業」への就職を希望していることがわかった。
その一方で、「転勤の有無は企業選びの基準にはならない」と答えた学生は18.8%。「転勤のない企業」を希望する学生が多いものの、「転勤の有無を気にしない」学生も一定数いることがわかった=下図参照。
また、「コロナ禍で転勤に関して、考えに変化があったか」の問いに、「より転勤のない企業を希望」するようになったと答えた学生は35.6%、「どちらかと言えば転勤のない企業を希望」するは28.1%となり、63.7%の学生が「コロナ禍で、転勤のない企業を希望するようになった」としている。
「転勤のない企業を希望する」と答えた学生からは、
「コロナ禍では、首都圏から地方に帰省するのが難しい。首都圏に配属されたら、なかなか地元に帰れないと思うと不安」
「新型コロナウイルスの感染拡大など、社会が混乱する出来事が起こっているタイミングで、住む環境を変えたくない」
「コロナ禍で、家族を大切にしたいと思う気持ちが強くなった」
などの声が寄せられた。