1都3県への緊急事態宣言の再発令を受けて、「ドライブスルー八百屋」が再開する。
外食向け業務用青果卸の株式会社フードサプライ(東京都大田区)は、昨春の緊急事態宣言時に実施し、好評だったクルマに乗ったまま野菜や果物を購入できるドライブスルー八百屋を再開すると、2021年1月6日に発表した。
前日23時までに受け付け、翌日受け取り
「ドライブスルー八百屋」の再開について、フードサプライは「非接触販売」「生産者、関係業者支援」「フードロス削減」と、3つの効果を得られる手段であることを、理由としている。
販売日は1週間に2回を予定。東京と千葉では、まず1月9日と11日に販売する。前日の23時までに予約すれば、両所で野菜を受け取ることができる。
新型コロナウイルスによる感染拡大防止のための、最初の緊急事態宣言は2020年4月7日に発令され、東京など首都圏1都3県では5月25日まで続いた。宣言前から営業自粛する飲食店もあったが、発令に伴う営業時間の短縮要請で飲食店向けの野菜がますます行き場を失うことになり、協力金などない農家や卸売業者らは苦境に立たされることになった。
そうした状況の中で、フードサプライが始めたのが「ドライブスルー八百屋」。利用者は、外食向けに販売予定だった約20種類の野菜とたまごを国産米5キロと詰め合わせた「もったいない野菜セット」(5000円)か、野菜とたまごのセット(3500円。いずれも税込み)を選んでメールで予約し、東京、横浜、千葉県野田市、札幌にある同社の施設で現金と引き換えに受け取る。
昨春は学校の休校や在宅勤務で、自宅で過ごす一家が総出で買い物に出かけスーパーが混雑して感染可能性が高まる「密」状態が生まれ問題化。ドライブスルー八百屋を利用すれば、混み合うスーパーのレジで並ぶ煩わしさを避けられるなど、人との接触を避けて買い物できると好評を博した。