この冬にベンチャーの移転ラッシュが起こる?
本書では、この冬にベンチャーの移転ラッシュがあるのではと予想している。「移転ラッシュ」の見込みは「続々登場するオフィス縮小コンサル」の群れも生んでいるといい、その模様も報告されている。
コロナ禍でテレワークが加速し、政府が推進する「働き方改革」と合体する格好で、ようやく「オフィスのあり方」が議論されるようになってきた。
その具体的な動きとして本書が指摘するのは「一部の企業では、新しい働き方をルールの側面から促す『ジョブ型』の人事制度が始まりつつある」ということ。「ジョブ型雇用」は、新型コロナウイルスの感染拡大を機にトレンドワードの一つになっている。
「ジョブ型雇用」は、一般的には、社員に対して職務領域やその具体的な内容を定義し、その職務に対する成果を評価する雇用形態のこと。終身雇用や年功序列を特徴とする日本型雇用システムが「メンバーシップ型雇用」とされ、それに対比する形で定義された。
日本型雇用システムは、新卒者を一括で採用して、具体的な職務を決めぬまま契約するのが一般的。会社という共同体の一員であることを重視する。「就職」というより「就社」といったほうが実態に合っており、「ジョブ型雇用」のほうが「就職」に近いといえる。