新宿ホストクラブ「要請を守って昼営業にする」
こうした政府の「圧力」に対して、飲食店側はどう出るつもりだろう――。
読売新聞(1月6日付)「『死ぬのと同じ』『4万円では守れない』時短要請に応じぬと明言する店も」では、こんな飲食店経営者の声を紹介している。
「『(午後8時までの)時短要請が出ても、応じるつもりはない』。JR千葉駅(千葉市)近くで居酒屋を経営する男性(52)はこう明言した。千葉、埼玉、神奈川の3県は現在、営業時間を午後10時までに短縮する要請に応じた店には、1日あたり4万円の協力金を支給している。だが、男性は協力金では従業員3人の人件費や家賃をカバーしきれないと、今も朝まで営業を継続する」
「横浜市で中華料理店を経営する男性(80)も『4万円程度の協力金では十数人の従業員の生活は到底守れない。商人が商売をしないのは死ぬのと同じだ』と語り、要請に応じないつもりだ」
朝日新聞(1月6日付)の「厳しい・協力金もらい休業したいが・昼中心に営業 緊急事態ウチの場合」では、取材に応じたライブハウスやホストクラブ経営者たちは、やむを得ず時短の要請に従うと答えた。
「『やっと客が戻ってきたのに、また離れてしまう』。東京・池袋のライブハウス代表の女性(54)は不安を募らせる。ここでは酒も出しており、ステージを午後8時までに終えるよう求められる。(前回の)緊急事態宣言で店を2か月休み、秋にようやく演奏や予約が戻っていた。土日の開店時間の繰り上げなどで対応する。すでに1月のライブが3~4本、延期や中止となった。『厳しい経営が続く』とこぼす」
「東京・歌舞伎町。ホストクラブ代表(36)は『常連客にも、いよいよ来てもらえなくなるかもしれない』と語る。店によってはクラスターが発生したこともあり、いまも世間の視線は厳しい。男性は『だからこそ、後ろ指を指されないようルールは守る』と、昼を中心に営業を続けるつもりだ」
居酒屋やファミリーレストランなどの大手外食チェーンはどう対応するのか。NHKニュース(1月5日付)「外食チェーン 緊急事態宣言の検討受け休業や営業短縮など検討」によると、休業や営業時間の短縮を検討するところと、要請は受け入れられないとするチェーンと、対応が分かれそうだ。
「居酒屋チェーンの『つぼ八』は、東京と神奈川にある直営店の休業を検討している。また、1都3県にあるフランチャイズの店舗には、政府や自治体の要請に沿って対応するよう呼びかける。また、ファミリーレストラン大手のロイヤルホールディングスは、『基本的に要請に沿って対応する』としているほか、すかいらーくホールディングスや、『デニーズ』を運営するセブン&アイ・フードシステムズも要請の内容に応じ、営業時間短縮を検討したいという」
「このほか、居酒屋チェーンの『コロワイド』や『ワタミ』は要請の内容を精査したうえで対応を判断するとしている。ただ、居酒屋チェーンなどの中には、経営が厳しい中で要請は受け入れられないとするところもあり、今後の対応が分かれる可能性もある」
(福田和郎)