コロナ禍で売り上げダウンも「悲観していない」と三越伊勢丹HDが強気なワケ

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国内の富裕層が海外に行けなかった分......

   一方で、高級服飾品などはどうなのか、と聞くと、意外な答えが返ってきた。

   三越伊勢丹HDの広報担当者は、

「確かに、海外のお客さまが(コロナの影響で)減ったのは事実です。その分、日本在住の富裕層も同じく海外に行けなかったこともあり、いわゆるラグジュアリー商品の売り上げは落ち込んでいませんし、影響がなかったと言えるでしょう。むしろ日本在住のお客さまだけで見ると、回復傾向にあります」

と話す。

   また、首都圏5店舗での売り上げ減(前年比14.0%減)も「想定どおりといった感じです。もちろん中長期的に見れば、変わってくるのかもしれませんが、決して悪い数字ではないと考えています」と前向きに話した。

   その理由は、新たに展開した販売戦略が奏功しているようだ。これまでのECサイトとは異なり、2020年11月から導入。スマートフォンのアプリを活用したもので、「動画で店員が接客する形で、お客さまは家にいながらでも百貨店でショッピングできる感覚」だという。

   2021年1月5日時点では「新宿店の14店舗のみですが、オンラインでの販売は前年比1.5倍と好評をいただいております。今後は、さらに店舗数を増やしていく予定です」。

   三越伊勢丹HDでは、伊勢丹新宿本店が福袋の9割以上をネット販売に移し、三越日本橋本店も大型催事をとりやめた。両本店の初売りの売上高は合わせて前年の6割にとどまった。

   2020年の売上高累計をみると、伊勢丹新宿本店と三越日本橋本店の合計で前年比26.9%減と、昨年の落ち込みは「過去に経験したことのない数字」(広報担当者)としながらも、スマホアプリを活用しての新たな販路を模索していく構えだ。

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