仮想通貨にエポックメーキング 2021年はさらに個人から機関投資家の流れが加速する!?

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   2020年に大きく上昇した株価だが、それを上回る勢いをみせたのが仮想通貨(暗号資産)のビットコインだ。

   マネックス証券執行役員でマネックス仮想通貨研究所の所長である大槻奈那氏は、「金融経済に3つの大きな流れがきている」と解説。その中のひとつである仮想通貨に起きている状況について、過去のバブル相場との比較やその「流れ」を説明した。

  • ビットコインはまだ上昇する!?
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ビットコイン史上最高値更新の300万円

   ビットコイン(BTC)は、上昇するたびに「バブルだ!」といわれてきたものの、そのたびに史上最高値を更新してきました。2017年に付けた高値である1BTC=240万円は遥かに遠いと思われてきましたが、昨年12月17日に史上最高値を更新。12月31日には300万円を付けるほどの上昇を演じました。

◆ 2020年のビットコインのチャート

ビットコイン、上昇著しく......
ビットコイン、上昇著しく......

   ここで「バブル」と持て囃された2017年と2020年を比べてみた。

【2017年】
取引主体:個人投資家
日本人投資家が市場をけん引。4月1日に、いわゆる仮想通貨法案が施行。日本で仮想通貨市場が大きく加熱したものの、セキュリティは未成熟。ICO(Initial Coin offering=仮想通貨の新規発行による資金調達方法の一つ)がブームとなり、あらゆる仮想通貨が誕生した。

【2020年】
取引主体:機関投資家
ヘッジファンドばかりか、マイクロストラテジー社などの企業がビットコインを購入へ。法整備や規制が進展。セキュリティも大幅に向上した。

   過去と大きな違いは、取引主体が個人から機関投資家へと変わってきたことだ。2019年から増加してきた機関投資家による参入は、急激に増加。マイク・ノボグラッツ氏やスタンリー・ドラッケンミラー氏といった著名投資家が、ビットコインを購入した旨を公表する場面もみられた。

   また、これまで考えられなかったことが、二つ起きた。

   ひとつは、企業が資産の一部をビットコインに置き換えること。世界的な大規模な金融緩和から、インフレ懸念が台頭。マイクロストラテジー社は、そのヘッジ策としてビットコインを購入することに踏み切った。

   そればかりか、社債を発行してビットコインの購入を行うという衝撃的な行動にも踏み切った。

   最終的に、マイクロストラテジー社は約1100億円規模のビットコインを購入。昨年12月末時点での含み益は、900億円を超えていると算出できる。

保険業界が「運用資産」に仮想通貨を選ぶ時代

   もう一つは、米マスミューチュアル生命保険がビットコインを購入したことだ。つまり、仮想通貨が機関投資家の資産運用の「手段」として、認知されたわけ。今まで参入していた200兆円規模のヘッジファンド業界から、9680兆円規模もある保険や年金などの運用資産が本格的に入ってくることが考えられるため、いかにインパクトが大きいかがわかる。

   マスミューチュアル生命の購入額は100億円規模と、同社の運用資産30兆円に対して、わずか0.033%程度です。しかし、この比率で保険業界の資産が入ってくるとなると、3兆円以上の規模が考えられます。

   そのため、この動きはエポックメーキングとして捉えられ、ビットコインを200万円から300万円にまで押し上げたのではないでしょうか。

   一方で、デジタル通貨を研究する動きが世界的に加速しており、特に中国でのデジタル人民元は実証実験において5万人規模、170億円の決済を終えているとされる。まだまだ仮想通貨(暗号資産)の未来は明るいといえそうだ。(児山将)

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