2021年がはじまった。コロナ禍で揺れた日本経済だったが、株価は絶好調といっていいほど。昨年12月30日では、日経平均株価の終値が前日比123円98銭安の2万7444円17銭だったが、大納会としてはバブル経済の最盛期だった1989年(3万8915円87銭)以来、31年ぶりの高値を付けた。
2021年の日本株は、どうなるのか――。2019年、2020年と過去2年間、強気な日経平均株価を予想してきたマネックス証券チーフアナリストの広木隆氏は、メインシナリオとして2021年の日経平均株価を3万1200円と予想した。
ついに3万円台に突入!?
ついに、日経平均株価は3万円を突破することになりそうだ。
広木隆氏が、そう分析する理由を見ていこう。
【前提】
過去50年間(1970年~2019年)において、日経平均株価が年間で上昇した年は32回。平均上昇率は約20%だった。2402円から2万7602円へ、10倍以上に上昇。
【広木隆氏のメインシナリオ】
日経平均株価の目標価格 3万1200円
予想EPS(一株当たり当期純利益)1605円
これらのことから、基本的に株価は上昇し続ける傾向。20年末の日経平均平株価平均の終値は2万7444円17銭。これに20%の上昇率を当てはめると、2021年は3万3122円となります。
3万円を大きく超えてくる。かなりの強気予想に思えるが、2013年の日経平均株価は50%ほど上昇しました。コロナショックで一時は1万6000円台まで下落した日経平均株価は、そこから1万円以上も上昇しました。これを見ると、達成可能な範囲内といえるのではないだろうか。
もちろん、リスクを考える必要もある。ワーストシナリオは、こうだ。
一番のリスクは、やはり新型コロナウイルスの感染拡大が終息しないこと。次々とワクチンが承認され、ものすごい量が生産されています。人口に占めるワクチンの摂取率を考慮すると、米国ではなんと2021年6月には終息に向かう可能性があるそうだ。
ただし、日本にワクチンが届くのは遅くなるため、2022年半ばになると想定されているようだが......。
さらに、ワクチンを接種した1週間後(「米看護師、ファイザー製ワクチン接種1週間後にコロナ感染」=報道)に新型コロナウイルスに感染するなど、まだまだ完成度が高いとは言えない状況や複数回摂取する必要があるなどの問題もある。
それに加えて、大規模な金融緩和の弊害としてインフレが加速し金利が上昇するリスクもはらんでいます。
政治的要因として、菅義偉首相の舵取りも重要とみる。日本経済新聞社が12月25~27日に実施した世論調査によると、内閣支持率が42%。不支持率が48%となっており、早くも暗雲が立ち込めている状況だ。
こうなった場合、日経平均株価は2万500円まで下落すると予想している。