神保町で触れる中国文化の音色【Vol.21 蘭花堂】

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二胡の個人レッスンも開く

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ガラスケースの中には美術品や二胡が並ぶ

   蘭花堂の特徴的な商品の一つに、中国の楽器「二胡」がある。ガラスケースに数挺の二胡が、ずらっと並ぶ様子は迫力がある。こちらは中国の販売店に赴き、実際に目で見て厳選した本格的な品だ。

   店内では光宏さんが指導する個人レッスンを受けることができる。

   「二胡は不思議な楽器で、弾く人の心の状態が強く反映される、奥深い楽器です。私も15年以上やっていますが、なかなか上達しないんです(笑)二胡の響きは人間の声のような繊細な趣があって、とても魅力的なんですよ」

   音楽を通して中国文化に触れられるのも、蘭花堂ならではの魅力だ。

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中国の代表的な楽器の一つ、二胡。二本の弦を弓で擦って鮮やかな音色を奏でる。

   今はコロナ禍の影響で現地での買い付けが難しく、海外からのお客様も来られない状況が続いている。しかし百合子さんには、新たな気づきもあったそうだ。

   「若い頃からずっと中国文化を追って、そのことで頭をいっぱいにして来ました。けれど一度立ち止まると、最近は日本古来の芸能や美術も素敵だなぁとやっと感じるようになって」 と、笑いながら話す。

   朗らかな笑顔で、丁寧に質問に答えてくださった百合子さんからは、中国と日本の距離を感じさせない柔らかく大きなお人柄が感じられた。海外旅行が難しい昨今でも、蘭花堂に足を運べば気持ちだけは自由に中国へ羽ばたかせることができるのではないだろうか。

(なかざわ とも)

なかざわ とも
なかざわ とも
イラストレーター
2016年3月学習院大学文学部卒。セツモードセミナーを経て桑沢デザイン研究所に入学、18年3月卒業。趣味は、宝塚歌劇団、落語、深夜ラジオ、旅行。学生時代より神保町に惹かれ、現在フリーペーパー「おさんぽ神保町」の表紙や本文のイラストを手掛けている。1994年、東京都生まれ。
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