残業時間のワースト3は財務省、文科省、経産省
これを受けて、内閣府人事局は、管理職の人事評価で勤務管理を重視した仕組みを検討することになった。
ところで、国家公務員の若手の離職とはどういうことか。河野氏は11月18日に「危機に直面する霞が関」というタイトルで自身の公式ブログを更新。ブログでは2019年の20代の霞が関職員(総合職)の「自己都合」を理由とした退職者が87人となり、2013年(21人)の4倍以上になったと明らかにしたばかりだ。退職者がわずか6年で4倍に達したのだ。
いったい、若いキャリアの国家公務員たちはなぜ早くやめてしまうのか――。2019年9月に就職・転職のジョブマーケット・プラットフォーム「Open Work」を運営するオープンワークが「国家公務員の残業時間ランキング」埋込リンク:(https://www.vorkers.com/hatarakigai/vol_63) を発表した。
Open Workは企業や官庁などで働く人の口コミサイトで、Open Workに投稿された会員による自分の勤務先である中央官公庁への評価レポート5653件をもとにランキングした=左表参照。
それよると、1位財務省、2位文部科学省、3位経済産業省、4位総務省...... などで、残業上位官庁の職員のクチコミから見えてきたのは、「国会対応」というキーワードだった。
「国会対応」とは、国会で質問を受ける省庁大臣らの答弁を作成する重要な業務だ。まず、質疑の前日に議員から「質問通告」を受けると、各省庁に答弁が割り振られて答弁作成が始まる。
公務員の働き方改革のために内閣府人事局が行った「国会対応の実態調査」によると、「質問通告」が終わる平均時刻は20時19分、各省庁への割り振りが確定する平均時刻は22時28分。それから答弁作成が始まるから、当然、徹夜は必至だ。
口コミからは、国家公務員たちの悲壮な声が聞こえてくる。たとえば、文部科学省――。
「平日にプライベートの予定を入れることはほぼ無理。『多忙なのは国会会期中に限る』という職員もいると思うが、国会は毎年1月~6月(遅ければ8月)と、9月~12月まで開催される。その期間中毎日、国会答弁の作成をするわけではないが、国会のために急に仕事が入る(それも定時後)ことが多いので、平日の習い事や霞が関以外の人との約束は実現不可能」(企画調整、女性)
総務省はこうだ。
「残業は避けられない。特に国会対応を頻繁に行う部署や、法令改正の担当部署に配属されると、休日出勤を強いられ、月残業時間が150~200時間にのぼることもある」(総合職、男性)
(福田和郎)