資産1億円以上の「富裕層」132万7000世帯 コロナ禍で変わる資産運用

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コロナ禍の運用「信頼できる専門家が必要」

   2020年はコロナ禍のなか、株価は上昇しているものの、多くの経済指標は悪化しており「今後の富裕層・超富裕層の世帯数や純金融資産保有額に影響を与える可能性がある」としている。野村総研では、世帯資産の推計調査に加えて、全国の企業のオーナー経営者(主要株主かつ代表者)を対象に「富裕層アンケート調査」を実施。その結果からやはり、コロナ禍が超富裕層・富裕層である企業のオーナー経営者の意識や行動に影響を与えていることがわかった。

   その調査によれば、個人資産の管理・運用について、「複雑でわかりにくい商品よりも、シンプルでわかりやすい商品を好むようになった」(50%)、「元本割れする可能性のある金融商品のリスクを、以前よりも気にするようになった」(46%)と、回答者の約半数が資産運用の考え方が変化したという。

   また「経済の先行きや、自分が管理・運用する資産に関して、積極的に情報収集や勉強をするようになった」(47%)、「自分の考えだけで資産の管理・運用をするのは限界があると感じた」(46%)、「資産の管理・運用に関するアドバイスをしてもらえる信頼できる専門家が必要だと思った」(42%)といった回答の割合が高く、このことから野村総研は「相場の急変に対して専門家のアドバイスを含む多様な情報を集めて、資産運用の意思決定をするという考え方が強まっている」とみている。

   一方「個人資産のことよりも、所有する事業や法人の先行きが、以前よりも心配になった」(53%)と回答した割合が最も多く、コロナ禍の影響は、企業オーナーにとっては個人資産よりも所有・経営する事業に対する意識のほうが強いことが示された。

   なお調査は、野村総研が2005年から隔年で「日本における純金融資産保有額別の世帯数と資産規模」についての調査を実施。各種統計などから、預貯金、株式、債券、投資信託、一時払い生命保険や年金保険など、世帯として保有する金融資産の合計額から負債を差し引いた「純金融資産保有額」をもとに、総世帯を5つの階層に分類し、それぞれの世帯数と資産保有額を推計した。

   また、オーナー経営者(主要株主かつ代表者)への調査では、帝国データバンクの業概要データベースをもとに全国2万社を抽出。2020年10~11月に実施。1520人から有効回答を得て、このうち本人と配偶者の保有する金融資産が1億円以上の305人を集計した。内訳は、金融資産5億円以上は27人、1億円以上5億円未満は278人だった。2020年12月21日の発表。

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