新型コロナウイルスの感染拡大が及ぼした企業の業績悪化で、働く人たちの先行きへの不安が高まっている。
日本労働組合総連合会(連合)の調査によると、「自らの雇用に不安を感じている」と答えた人は6割にのぼった。2020年12月17日の発表。
見えないコロナ禍の収束に募る不安
新型コロナウイルスをめぐる今後の状況や会社の業績などを踏まえ、自身の雇用に対して不安をどの程度感じているか聞いたところ、「不安を感じている」と答えた人は25.2%。「どちらかといえば不安を感じている」は32.9%。合わせて6割近くの58.1%が「不安を感じている」と回答した。
「不安を感じていない」が20%、「どちらかと言えば不安を感じていない」は21.9%で、合わせて41.9%の人が「不安を感じていない」と答えた。
2020年3月以降に勤め先(会社・店舗)が「休業または一部休業したことがあったか」聞いたところ、「(調査時点では休業していなかったが)休業していたことがあった」は4.4%、「(調査時点では休業していなかったが)一部休業していたことがあった」は10.5%で、合わせて14.9%がコロナ禍での休業を経験。「休業したことはなかった」は78.3%だった。
「休業」「一部休業」の経験を業種別にみると、「教育・学習支援事業」で41.9%、「宿泊業、飲食サービス業」で34.9%にのぼった。
2020年3月から調査時点までの休業状況別で「雇用に対する不安」をみると、「感じている」「どちらかといえば感じている」を合わせた「不安を感じている」割合は、勤務先の休業を経験した人では71.4%で、休業を経験していない人の54.4%と17ポイントも開きがあった。
働く人たちに「不安」が募っていることについて、連合では「コロナ禍の収束の見通しが立たないために、自身の雇用に対して不安を感じるという人が多いのでは」とみている。