現状維持は「退歩」でしかない
Dさんは脱サラされてから、仕事が数回変わっていらっしゃいますよね。
「間借りしていたお店が閉まってしまうタイミングで辞めたり、声をかけてもらって新しい仕事を始めたり、仕事が変わっていますが、いろんなコミュニティに参加したり、人と繋がったりで、『タイミング』と『縁』から、次の仕事に繋がっています。その中でも大事なのは先ほどもお話した『軸』です。
会社を離れると、繋がりは自分自身で作っていかないといけないので、会社以外のコミュニティは本当大事だなと思います。コロナ禍では随分、Zoomなどのオンラインツールに助けられました。年齢関係なく、時代の流れにはうまく乗ったほうがいいように思います。
ボーッとしていても、向こうから勝手にチャンスが来るものではないので、軸を持って動いた先にタイミングや縁があると思っています。
サラリーマン時代にはできなかった子供との関わり方や過ごす時間など、脱サラしたら手にしたものがたくさんあります。やってみないとわからなかったことでしたし、私にとって大きな収穫でした」(Dさん)
先日、あるデザインをやっている方とお話をしていて「ニーチェ 」の名言が出てきました。
「人生には進歩と退歩の二つしかない。現状維持とはつまり退歩している証なのだ」
同じ環境、同じ仕事、慣れることは本当にラクですし、心地いいです。しかし、その先には退歩しかないとすれば、やっぱりとても現状維持って怖いですよね。
もし、Dさんがサラリーマンに戻ったとしても、そこに安定を求めてしまうのであれば、やっぱりそれは違うと思います。
「そうなんですよね。本業が軌道に乗るまでは、と一時的にアルバイトをしていますが、だんだん今の生活に慣れてきている自分もいるんですよ。今の生活でも生活はできてしまうので、危機感がないと言えばなくて、『これではマズイ』と日々気持ちを奮い立たせています」(Dさん)
これからDさんの本業が、軌道に乗ることを祈っています。私も自分の変化を楽しみたいと思います。さっそくニーチェの本も買いました。(ひろ子ママ)