NHKと総務省の「受信料値下げ」バトルが激しさを増しているかのように見えるが、どうもこちらは携帯電話料金の値下げバトルに比べると、総務省側に「本気度」が欠けるようだ。
そんななか、武田良太総務相のトンデモ発言が飛び出した。
「NHK受信料徴収の個別訪問に郵便局員を使えばよい」
と言うのだ。郵便局員の個別訪問に関しては、かんぽ生命の不正事件が大問題になったばかり。ネット上では、
「NHKと郵政グループ、悪名高い2つの個別訪問を組ませてどうする?」
と呆れかえる声が殺到している。
「郵便局がNHKに手を貸すと地域の人々から恨まれる」
武田総務相の「郵便局員を戸別訪問に使う」という「アイデア」は、前田晃伸NHK会長の見直し策と真っ向から対立するものだ。ネット上では、こんな批判の声が起こっている。
「かんぽ生命で信用が失墜している状況のなかで、郵便局がNHKに手を貸すと、さらに人気を失って、荷物の受け取りをしなくなる人がたくさん出てきそう。再配達でも郵便局員に会わないように『外に置いて』と言われそうで、郵便局員が可哀想です。郵便局もさらに人気がなくなり、ますますヤマトや佐川に切り替える人が増えてくるでしょう」
「NHKは、どんなに国民から嫌がられようとも、強引に受信料を徴収して無理矢理収益を上げることができるが、郵便局は国民から嫌われたら、他の競合会社にお客を取られてしまう。その上、郵便局の職員は、自分の会社でもないNHKのためにストレスが著しく増えていくのだ。この提携は、郵便局とそこで働く従業員にとって弊害にしかならない」
「ドアの前で『NHKなんて見ていません!』『勝手に電波を垂れ流がしてカネとるとは!』『契約した覚えはありません!』とキッと睨まれ、怒られる。なぜ郵便配達の職員がそんな損な役回りをしなくてはならないのか? 今まで機嫌よく挨拶してくれていた地域の住民とも敵対関係になってしまう。気の毒です」
「年賀状の販売ノルマすらある郵便局員に受信料業務を担わせるとは。配達員はそんな時間はない。いくら郵便が減っているとはいえ、バカも休み休み言え!と現場は思うよ」
個人情報保護法の問題点があると指摘する声も多かった。
「日本郵便が所有している顧客の個人情報は、(1)郵便物等を配達するため、(2)貯金口座・保険契約を管理するためなどで保有している。受信料徴収のために使用することは目的外使用で個人情報保護法違反になりかねない。ただでさえ『かんぽ生命問題』でいろいろ大変なのに、お客とのトラブルの元を増やしてどうするの」
また、武田大臣の狙いを、こう推測する意見もあった。
「本音をハッキリ言ってください。NHKに不満を持ち、視聴しないで契約をしてない人、支払いを拒否している人の居住を確認しやすく、転居の際も逃げられないようにするためだと。ふざけるなって...... 話ですよ。放送法が制定された時代と、現代では通信環境が違い過ぎる。契約の意思の尊重もなく、契約の自由もない。どこに公平性があるのか?」