通販番組はコロナ禍の一時しのぎではない
コロナ禍に見舞われた2020年。国内の経済活動の自粛ばかりではなく、海外からのインバウンドも途絶えたこともあり、農産物も水産物も行き場を失った。相場が大幅に下落し、生産現場は深刻な状況に陥っているという。産地でも、コロナ以前に回復するまでには相当な時間がかかると考えられている。
感染状況が小康状態となって始まった「Go To トラベル」キャンペーンで、一部の観光名所では、クーポンを手にした旅行客が名産品を買い漁り、売り切れが続出して、うれしい悲鳴もあがったというが、三好社長は「それだけでは、本当に業者のためにはならない」と、語気を強める。
「Go Toで盛り上がり一時的にはいいかもしれないが、長期的にみてそれでいいのか、ということ。人が来て売れるからいいということでは長くは続かない」
三好社長によると、通常でも暮れに旬を迎える産物が、年が明けるとさっぱりと売れなくなり、持て余すケースも多い。そのことに頭を痛める業者は少なくなく、社長はそうした生産者の支援を志している。
コロナ禍によって販路が先細り、きちんと考えている生産者は一時しのぎではない売り方を考えている。5Gが本格化して通信がさらに進化すると、新しいテレビ通販の世界は素材を編集しながらライブ映像を配信できるようになるという。
そうなるとBaaSを使って、まさに旬の食材を遠隔地の消費者に届けることが可能だ。「いままで知らなかった食材に触れる機会も提供できるはず」と三好社長。コロナ禍の出口が見えない中で、生産者からも大きな期待が寄せられているという。
今回は北海道、青森県、福島県、石川県、沖縄県の食材セット10商品を紹介、今後は全国に拡大する予定だ。