ヒエラルキーが邪魔して、仕事が滞ることはありますか?
ヒエラルキーとは、ピラミッド型の段階的組織構造のこと。社内であれば、社長から部長、課長と上限関係の「源泉」となります。社外と仕事していても、会社対会社で行使する人が、結構います。
業歴・職歴、年齢、売り上げ規模... ヒエラルキーはいろいろ
たとえば、「君の会社の年商は幾らかな? うちの会社は50億だけど」と売り上げ規模でヒエラルキーの上に立って仕事を優位にすすめようとする社長。あるいは地元での影響力や業歴など、社長同士のヒエラルキーとなる要素はたくさんあります。
ただ、ビジネスするうえでヒエラルキーなど関係なく、堂々とお互いが言うべきことを言いたいものです。
では、どうしたらいいのでしょう――。
コミュニケーションを戦略的に駆使してフラットな関係を巧みに構築していきましょう。たとえば、自分はヒエラルキーの上にいて「上から目線でモノを言うのが当然」と接してくる人がいたとします。
そんな相手に対して、どのように対策をしたらいいのでしょうか?
取材した社長経験30年のベテランS社長は、会合で会う若手社長に対して「君にはわからないと思うけど...」と切り出し、「若手がもっとしっかりしてくれないと」と言い出すタイプ。
若手だけでなく中堅クラスの社長も、仕事をする機会には主張すべきタイミングでも躊躇してしまうことがあるようです。
仕事をするうえで、大いに問題です。このような人に対して、どのように接するか? あなたが気の強いタイプなら「それは決めつけですよ」と対抗することも可能かもしれません。ただ、日常の関係を踏まえて対応を躊躇う人が大半ではないでしょうか。
気持よく相手を勝たせる
では、どうしたらいいのでしょうか?
上から目線の発言をする相手を称える言葉を返すのです。たとえば、「どのような努力をすると、先輩のようになれるのでしょうか?」。このように返すと、矛先はあなたではなく相手自身に向きます。おそらく、自分の自慢話をうれしそうにすることでしょう。
ちなみに上から目線で話す感情の底には見下されることへの恐怖があると言われています。上から目線の人は自分が見下されることが何よりも嫌い。自分の優位性を保つために相手を見下せるポイントを探り始めます。
気持よく相手を勝たせる「勝たせ上手」に徹し、自慢という名の不安を吐き出させてあげて、「これで不安が解消できればいいんじゃないの」くらいの寛容な気持ちを持てるとベストではないでしょうか。(高城幸司)