2021年の景気はいいの、悪いの? コロナ禍で企業の3割が悪化見込み 緊急事態宣言の再発動のゆくえは...

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緊急事態宣言の再発動「ある」大和総研VS強気のGS「ない」

   大和総研は経済調査部のエコノミストら3人の連名で、11月20日付で「日本経済見通し:2020年11月」を発表。大和総研では、2021年については、新型コロナの感染拡大に関して3つのシナリオを想定。政府の新型コロナ感染症対策分科会による感染4段階をもとにした「メイン」「リスク」「リスク+金融危機」の3つだ。

   「リスク」と「リスク+金融危機」は、2021年の前半と後半の2度「ステージIV(爆発)」に発展する感染が発生し、「緊急事態宣言が1か月間発出される」シナリオを描いている。

   実質GDP成長率見通しは「リスク」でマイナス0.8%、「リスク+金融危機」ではマイナス7.7%と厳しい。

   一方、米ゴールドマン・サックス(GS)は2021年の日本経済について、市場予測を上回るリバウンドを想定している。2020年11月9日付のグローバル投資調査部によるレポートで、実質GDP成長率は、暦年ベースの2020年はマイナス5.3%、2021年は3.3%だが、年度ベースでは、2020年度のマイナス5.3%から2021年度は4.6%と「回復は鮮明なものとなっている」としている。

   「菅首相は、感染防止と経済活動の再開の両立を目指しており、経済に大きな負担を強いる緊急事態宣言の再発令は基本的に考えていない」とみている。

   GSは11月7日付で2021年以降のグローバル経済見通しをアップデートしており、2021年の実質GDP成長率は世界全体で6.0%と、2020年のマイナス3.9%(見込み)から、市場予測を上回る大幅なリバウンド(反発)を予想している。日本についても「より長い目線で見れば、市場予測を上回る当社の成長率見通しは妥当と考えている」と述べている。

   その理由は、

(1)「感染状況と人々のモビリティとの間の相関の顕著な低下」
(2)「サービス等における企業マインドの大幅な改善」
(3)「オンライン・ショッピングの利用増加」

――といったポジティブな兆候が見られることだ。

   日本ではマスク着用が励行され、人の行き来するなかでの感染ケースが減少するなど「ウイルスとの共存姿勢の高まり」が、ゴールドマンの積極評価につながっている。日本でも2021年半ば以降、ワクチンが広く流通すると予想。さらに投資についても、企業マインドの改善やデジタル投資の活発化などを材料に「比較的強気な見方を堅持」している。

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