海外メディアに「誤解を招いた」は通用しない
国内でも物議を醸している「国民の『誤解』を招いたなら真摯に反省する」という菅首相や加藤勝信官房長官のコメントに反応したメディアもありました。
ロイター通信は、「Suga's activities had "caused misunderstanding" among the public」(菅首相の行動は国民に「誤解を招いた」)という加藤官房長官の発言を、わざわざカッコ付きで紹介しています。
悲しいことに、私たちは「『誤解を招いたなら』反省する」といった政治家の「謝罪パターン」に慣れてしまっていますが、海外には通用しません。
「大人数でステーキ会食をした」菅首相が「誤解を招いたなら反省する」と発言しても、「何が誤解なのか?」「ルールを破ったなら反省すべき」と思われるだけです。
「誤解を招いた」の箇所を強調したロイター通信の「英訳」に、日本の政治家の「不誠実さ」や「逃げの姿勢」を意図的に浮き彫りにしている、と感じたのは私だけでしょうか?
それでは、「今週のニュースな英語」は、「misunderstanding」(誤解)を使った表現を取り上げます。
There was a misunderstanding with you
(あなたとの間に誤解があった)
There was a misunderstanding among us
(我々のなかに誤解が生じていたようだ)
Sorry for my misunderstanding
(誤解をしてしまって、ごめんなさい)
I'm sorry for any misunderstanding
(誤解が生じていたら申し訳ありません)
「ステーキ会食」で海外メディアが強調した菅首相の「しくじり」と「不誠実さ」。いろんな意見があるかもしれませんが、コロナ禍で苦しむ国民を率いるリーダーに「ふさわしくない行動だった」という評価については、「誤解」は生じていないようです。(井津川倫子)