「建設業が待っています。女性も大歓迎ですよ」
ネット上ではリストラ体験者らの嘆きの声とともに、「うちに来て働いてください」などのエールの声があふれている。
労働・生活相談に関わるNPO法人POSSE代表の今野晴貴氏は投稿で、こうアドバイスしている。
「この調査は、経営者がコロナに関する解雇と認めた際にのみ人数がカウントされる。つまり、労働者が誰にも相談せず、諦めてしまったケースは闇に葬られる。加えて、実際はコロナ解雇であっても経営者が認めないケースが非常に多い。というのも、コロナ理由の解雇の場合、雇用調整助成金を申請すれば休業手当のうち中小企業の場合は最大100%、大企業の場合は最大75%が助成される。経営者がこうした支払いをしたくないため、解雇理由を正直に認めないケースが多いのだ。だが、広がるコロナ解雇に対処法はある。コロナ対策の雇用調整助成金の特例措置が来年2月末まで延期された。この制度を会社に使わせるため、個人で加盟できる労働組合などに相談してほしい」
こんな嘆息の声が多く寄せられている。
「この中には、断腸の思いで店を畳んだ自営業者も、仕事がすべてストップしてニート状態になっているフリーランスの専門職も、シフトが激減して生活費を稼げなくなったフリーターも、待機状態の時間給労働者も含まれていないのですよね」
しかし、そんな人々に「うちの業界に来て!」とエールの声が寄せられている。特に多いのが建設業からの誘いだ。
「建設業界へ来てください。住み込みで働ける所もあります。たいてい、飯付き。しんどい仕事ですが、10日ほどで慣れます。体が環境に適応していくのです。危険な仕事もありますが、『危険を予測し、それを避ける仕組み』もできています。社会保険も、福利厚生も充実しつつあります。女性も、少ないですが、いますよ。現場は広いので3密の心配はあまりないです。作業着・安全靴・マスクなどは、たぶん会社のほうで用意してくれますよ。まずは電話して、門をたたいてください」
「私は女です。もともと接客業でしたが、人手が足りない際、主人の会社で真冬に足場に登り、ペンキを塗っていた時期があります。初めは正直2階部分の足場ですら高さに抵抗がありましたが、すぐに慣れました。寒さも暑さよりは対策のしようがあります。左官職人をされている女性もいました。女性=現場仕事は選択肢の一つに浮かびづらいので、参考になればと思い、書かせて頂きました」
建設業を営んでいる人からは、こんなエールが。
「建設業を経営しています。10年前に比べればかなり優しくなっている業種です。怒りちらす人は逆に『辞めてください』です。人手不足により地方では災害復旧に追われ2年先まで仕事がある状況になっています。職がなくなった方は前向きに検討してほしいです。給与面も人手の確保のため上がっていますよ」
「建設業の元請の監督をしているが、良くも悪くも他業界の人が入りやすいところだ。現場をみていると、熟練工から新人まで色んな人がいます。熟練工は溶接や玉掛など資格が必要な作業をする。一方、新人は道具運びだったり、熟練工の補助で工具をとってきたり、資材置き場の整理整頓など主に資格不要な雑用ばかりして、熟練工から怒鳴られたりしている。最初は体力的、精神的にもきついと思うが、慣れと本人の努力でどうにでもなる業界だと思う。中年以上の人でも他業界から入ってきたと、見たらすぐわかる。鉄工、溶接工、配管工、保温工、築炉工などいろんな職人を見るが、だいたい素人からでも働けると思う。ただ、電気工事系だけは他業界からの転職はやめたほうがいい。電気で命を落とすこともあるので」
経験者からは、こんな声があった。
「ずっとデスクワークでしたが、30代でメンタルをやられて思い切って建設業に飛び込みました。怒号が飛び交い、命の危険もあり...。でも慣れるもので、精神はタフになりましたよ。おかげで鬱(うつ)が治りました」