マジやる気? 小池都知事の「人々は希望を求めて東京五輪開催を望む」発言が総スカン(2)

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「都民のみなさんは現在を見ていますが、私たちは将来を考えています」

   小池百合子都知事がAFP通信のインタビューに応じ、こんな「上から目線」発言で「東京五輪を断固開催する」と発言したことがネット上で総スカンをくっている。

   それしても、これだけ新型コロナウイルスが猛威を振るっているのに、政府や東京都は「マジ東京五輪をやる気?」という疑問の声が起こっている。

  • 東京五輪主会場となる新国立競技場
    東京五輪主会場となる新国立競技場
  • 東京五輪主会場となる新国立競技場

東京五輪が開けないと菅政権がつぶされる恐怖心

   それにしても、この深刻なコロナ禍にあって、何が何でも東京五輪を開こうとするのはなぜだろうか?

   毎日新聞の名物コラム「時の在りか」(2020年12月5日付)の「GoToコロナ五輪の怪」という見出しの記事で、伊藤智永・編集委員兼論説委員がトンデモない理由を紹介している。

「なぜ、五輪は中止できないか。経済的損失が、コロナでも決行する時よりはるかに大きいという試算がある。納得がいかない旧大蔵省OBが、後輩の武藤敏郎(東京五輪)大会組織委員会事務総長(元財務事務次官)に問いただしたら、諭(さと)されたそうだ。『東京五輪ができずに、半年後の2022年2月、北京冬季五輪が成功裏に行われたら、国内の反中世論が激高して政権が持ちません。中国は全入国者の健康状態を徹底監視する恐るべきシステムを用意し、国家の威信にかけてやりますよ』......と」

   東京五輪が開けないと、反中国の保守世論に菅政権がつぶされてしまうという恐怖心があるようだ。

   しかし、大会組織委員会周辺からも「もう中止にしたら」という声が上がっている。組織委の顧問を務める茶道裏千家の千玄室(せんげんしつ)前家元だ。千玄室さんは日本馬術連盟会長を務めており、競技団体の長という立場でもある。京都新聞(2020年5月31日)「東京五輪『中止検討せざるを得ない』組織委顧問の千玄室氏 現状での開催に危機感」という見出しのインタビュー記事で、こう語っているのだ。

「五輪はスポンサーがあってこそ実現でき、膨大な費用がかかる。日本を含む世界各国がコロナ対策で予算を費やし、リーマンショック以上の経済危機の時に五輪をやるのかという批判が出てくると思う。反対の声が大きくなれば、大会の中止を検討せざるを得ない」
「馬術は唯一動物を扱う競技で、我々は費用面など万全の態勢を整えてきた。選手は馬と一緒に欧州にいて、出国できない。馬場で馬に乗ることも制限されている。他のスポーツでも、世界各国で出場が決まっている選手が来年まで気力を維持できるか」

   そして、最後にこう語るのだった。

「前回の東京大会(1964年)を含め、かつてはアマチュアだけが出場できる大会だった。今は商業ベースになっている。こんなスポーツの祭典で本当にいいのか。もっと素朴に、選手は国のためだけでなく、自分のために記録を出したい。それだけ。一つの五輪哲学を、ここで日本が立てるべきです。ちょうどいいチャンス。みなさん考えてほしい」
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