「勝手なことしやがって」二階派幹部が激怒! 菅首相が「GoToトラベル」停止に踏み切ったわけ(1)

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「GoToは感染に関係ない」観光庁の根拠の裏事情

   毎日新聞社説(12月15日付)「GoToの一時停止 後手に回った責任は重い」は、「自らの小出しの対策が感染拡大を招いたのに、菅政権は国民に責任を転嫁している」と批判した。

「経済を優先し、感染対策を小出しにすることで事態を悪化させてきた。追い込まれた末の、あまりに遅い対応だ。年末年始に向けて状況を好転させたいのであれば、すぐにでも停止するのが筋だろう。菅首相はネット動画配信で『(専門家から)移動で感染しないという提言を頂いている』と述べた。今回の判断と矛盾する発言だ。突然方針を変えた理由について、納得のいく説明もない」
「西村康稔経済再生担当相は、国民に『危機感を共有して欲しい』と呼びかけた。しかし、感染拡大下でGoToのようなアクセルを自ら踏んでおきながら、感染拡大の責任を国民に転嫁するような物言いだ。専門家の提言を正面から受け止めず、後手に回って感染を拡大させた政府の責任は重い」

   ところで、菅首相が「GoToトラベル」に執着してきたのは、「GoToトラベルが感染を拡大させたというエビデンス(根拠)は存在しない」ということを理由に挙げている。なかでもよく引用されるのが、GoToによる感染が、200人台(12月13日現在で累計276人)にとどまっているとする観光庁の「調査結果」だ。利用者が延べ約5200万人に達するのに対し、あまりに少ないというのが「根拠」だった(編集部注:統計上の感染率は0.00053%)。

   毎日新聞(12月15日付)「コロナへの影響割れる見方 観光庁、感染276人止まり」が、いったいどういう調査からこの数字が出てくるのか、観光庁の担当者を直撃している。

「『276人』という数字はどう集計したのか。観光庁によると、GoToによる感染者は保健所を通じて把握される。保健所は陽性者が出ると行動履歴を調べ、もしその人が旅行に行っていれば宿泊施設や旅行業者に感染したことを連絡する。その際、業者側が該当の人物を調べ、GoTo利用者だと分かれば、GoToの事務局や観光庁に報告するという流れだ」

   つまり、業者の自主的な調査と自己申告に頼っているわけだ。そこで毎日新聞記者は、

(1)もし業者が、GoTo利用が減ることを恐れて報告を隠していればどうなるのか。
(2)また、陽性者の行動履歴は本当にわかるのか。
(3)さらに利用者が旅行先の地元住民に感染させるケースは把握できるのか。

などの当然の疑問を観光庁担当者にぶつけた。

   観光庁担当者は、(1)の業者が隠す心配については、外部通報窓口も用意して情報漏れの対策をしている(2)については、陽性者の行動履歴が明らかになることが前提で、観光庁と保健所は情報共有に務めており、これまで宿泊施設従業員の感染は確認されていないと答えた。

   ただ、(3)の旅先で感染を拡大させるケースは、観光庁担当者は、

「濃厚接触者などの追跡は不可能だ。本当に一つも漏らしていないかと言われるとつらいが、できる限りの部分は把握しているはずだ」

と述べて、GoToトラベルが感染拡大につながっていないと強調するのだった。

(福田和郎)

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