きょうは、40代後半のSさんです。お仕事、なんだか大変そうですね。
「今、会社がコロナ不況のため、週休3日を検討しているんです。リストラをしない、人員削減をしないように、会社がとった方針ですが、このまま今の会社に居続けることに対して不安を感じます。私の会社は週休3日になったことで、その分の給与が削減されるのですが......。それで会社が持ち直してくれればいいのですがね」
週休3日制で給与が減るのはふつう?
コロナ不況で大企業が週休3日、週休4日、休業制度などさまざまな方針を打ち出しています。なかには週休3日制で、1日8時間勤務×5日=40時間を、1日10時間勤務×4日=40時間として勤務時間を同じにして給与体系を変えない企業もありますが、一般的に勤務時間が減るのであれば、給与が減ると考えるのがふつうでしょう。それでもいきなり、リストラや早期退職を言われるより、いいかもしれません。
とはいえ、収入が減ることで生活費、住宅ローンなどの支払いにも影響が出ることもあるでしょう。無責任なふうに聞こえるかもしれませんが、ここからは考え方で差が出ると思います。
週休3日制を会社のリストラのための準備だと捉える方がいるかもしれませんが、そうではなく、働き方の選択肢を考える機会ができたと考えてみてはいかがでしょうか。
これまでも「いつかは将来のことを考えないといけない」と思っていても、日々の生活の忙しさにかまけて、考えることを後回しにしてきた方が多いと思います。実際、私もそうですけどね。
今回のコロナ禍は、強制的に考える時間を作ってくれた。そんな存在なのかもしれません。たとえば、コロナ禍で国の制度を使って休業補償が出ている会社に勤める人は、考え方が大きく2パターンに分かれたようです。
(1)給与はもらえるため、単純に休みが増えることを喜ぶパターン
(2)休み中に、次に備えて準備をするパターン
同じ時間を休むとしても、過ごし方によって大きく差が出ます。日曜の夜「サザエさん」を見ながら「明日会社に行きたくないな」と一度は思ったことがあると思いますが、そんな理想の日が急にやってきて「来週から週3日制度にします」と言われたら、Sさんはどうですか? 困りませんか。やはり人間は準備ができていないと、うろたえるものです。
週休3日を生かすための準備
今でさえ、日本の企業の週休2日は当たり前の制度ですが、じつはこれを導入したのはパナソニックの創業者、松下幸之助氏だそうです。それまでは月2回の休みだったり、休み自体も定められていなかったり、そんな時代もあったようですね。
今、働き方改革で「働く」ことと「休む」ことのバランスが注目されています。さらにコロナの不況によって余儀なく働き方の変更も求められるようになるかもしれません。週休3日制度が日本のスタンダードになる日も、そんなに遠くないのかもと思います。
週休3日のメリットは、ワークバランスを実現や自己のスキルアップのための時間の確保、生産性の向上などが上げられていますが、これも自分自身のメリットにしないと、まったく価値がありません。
せっかく増えた休みを、何もしないでぼーっと過ごしては、ただ給与が減って損した、生活が厳しくなってしまったと、結果的にマイナスに感じてしまうでしょう。何ごとにもメリット、デメリットがありますが、変化によってデメリットだけを被ってしまうと最悪です。
しかし、メリットは誰もが必ず得られるものではなく、メリットをメリットとして享受するためには、やはり準備しておくしかありません。
たとえば今、資格取得に向けて勉強している人は、具体的な目標を立てる、立て直す、そんなことでもいいでしょうし、副業に興味がある人は、何を副業にするか考えるのもいいでしょう。
Sさんのように、変化に対して不安を感じることは当たり前のことだと思います。ただその不安に対して、どう対応していくか、どう考えるかによって差が出ます。不安は考えているだけでは不安のままです。Sさん、不安を減らすために、ぜひ小さなことでも行動してみましょう。(ひろ子ママ)