「祈りの言葉を唱えて、漢字を一文字ずつ送信しなさい」
ほかにも、「占い」や「鑑定」と称したやりとりの中で、こんなもっともらしい数字や記号、特定の言葉や行動の指示を送ってくる。これは、いかにも「占い」らしく見せる一方、延々と送信し続けることで、やりとりの期間が長くなり、支払いが高額になっていく狙いもあるのだ。こんな指示の数々だ。
「祈りの言葉を唱えて、唱え終えた合図として漢字を一文字ずつ送信しなさい」
「宝くじで当選したい金額をイメージしながらメッセージを送信しなさい」
「深呼吸して紙に字を書いてからメッセージを送信しなさい」
「スマホを5秒間胸に当ててからメッセージを送信しなさい」
「好きな都道府県をひらがなにして送信しなさい」
「『今日はいい日ですね』や『今日は桜がきれい』という言葉を送信しなさい」
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また、メッセージで届くいくつかの画像から1枚を選択すると、占い師が心の状態を占ってスコアで表し、スコアが 100 点に達したら「宝くじの当選番号」を教えてもらえるという手の込んだ手口もある。スコアが 100 点に達するまで、何回もやりとりを続けなくてはならないわけだ。
国民生活センターでは、こんな悪質な占いサイトに騙されないよう、こうアドバイスしている。
「無料の占いだからといって気軽に氏名や生年月日、メールアドレスなどの個人情報を入力しないこと。もし、入力してしまい、占い師や鑑定士を名乗る者からメッセージで金運や恋愛運について良い言葉が書かれていても、安易に返信しないように。相手は、やりとりを引き延ばして高額の支払いを請求するのが手口です。相手の言葉をうのみにせず、やりとりをきっぱりやめましょう。またやりとりの内容は、トラブルになった場合に、支払った料金の返金を求めるための証拠となります。占いサイトなどを退会すると、やりとりが消去される場合があるため、スクリーンショットなどをして保存しておきましょう」
(福田和郎)