新型コロナウイルスの感染拡大が企業の業績を直撃したことで、新卒者の採用計画にブレーキがかかりはじめたなか、2022年3月卒業(修了)予定の大学生・大学院生を対象にした「就職先人気企業ランキング」が発表された。
コロナ禍の状況を反映して、経済活動の自粛の影響や業績ダメージが比較的少ない、安定的な総合商社や金融機関などの大手企業が人気を集めた。
文系女子で「異色の結果」
文系女子は、前年に引き続き伊藤忠商事が1位。8位の三菱商事と総合商社がトップ10に2社がランクイン。文系男子と同様、東京海上日動火災保険(2位)、損害保険ジャパン(5位)、三井住友海上火災保険(6位)とメガ損保が躍進したほか、日本生命保険(7位)、第一生命保険(9位)、大和証券グループ(10位)と、女性が長く働きやすい環境に定評のある大手金融機関が顔をそろえた。
3位の集英社、4位の講談社は、ともに豊富なコンテンツのグローバル展開やデジタル化に成功しており業績は好調。ダイヤモンド・ヒューマンリソースによると、トップ10に出版社が2社ランクインするのは異色の結果で、その理由として「特に集英社はブームとなった人気アニメも影響したと考えられる」ほか、コロナ禍による外出自粛や巣ごもりで日常生活での接点が増えている影響がありそうだ。
日本放送協会(NHK)が17位にランクインするなど、主要テレビ局も順位を上げた。
一方で、文系女子の人気が高かったオリエンタルランドやJTB、日本航空(JAL)、ANAホールディングス(全日本空輸)など、エンターテイメントや旅行、運輸業界は、コロナ禍の影響を大きく受けて順位を下げた。
理系女子では、1位の明治グループ(明治・Meiji Seikaファルマ)を筆頭に、味の素(2位)、森永乳業(5位)、森永製菓(6位)、日清製粉グループ(7位)と、食品関連メーカーがトップ10に5社がランクイン。女子学生に身近な製品を開発している資生堂(3位)、富士フイルム(9位)、花王(10位)と化学・化粧品メーカーが3社ランクインした。