菅首相「経済の火は消さない」小池知事「国と都は違う」
こうしたなか、焦点の人物、菅義偉首相が15時、インターネット動画中継サイト「ニコニコ生放送」に生出演し、GoToトラベルについて語った。政治ジャーナリストで評論家の鈴木哲夫氏が、
「東京都の感染者が602人を超えました。GoToトラベルを一時停止したらという声が出ていますが」
と聞くと、菅首相は、
「(GoToトラベルの一時停止は)まだそこは考えていません。検討にも入っていません」
とはっきり否定した。
そして、その理由について、
「(かつて)専門家の分科会でGoToトラベルの人の移動については、感染拡大との関連が低いという意見をいただいている。ブレーキとアクセルを同時に踏み続けているという批判を受けているが、経済活動の火を消すと本当に困る人が多く出て、大変なことになるという気持ちでやっている。経済を緩めるわけにはいかない」
と、経済活動優先の立場を鮮明にした。
そのうえで、今後の対応ついては、こう説明した。
「これ以上の感染拡大を阻止したい。西村康稔経済再生担当大臣を中心にそれぞれの首長とこれから調整する。2、3日で調整し、次の対策を進めると思っている。ただ、私たちも今年2月以来、いろいろと学んだ。それは飲食が感染拡大に影響しているということだ」
と、むしろ飲食店が感染拡大の元凶になっていると指摘したのだった。
「東京都や札幌市、愛知県などでも飲食店への時短要請を行っている」
と語り、批判の矛先をGoToトラベルから飲食店に向けた形のコメントに終始した。
東京都の小池百合子知事も14時から記者会見に臨んだ。こちらも「GoToトラベルの停止」という提言については、にべもない態度だった。
「(政府の分科会がいう)ステージ3の基準は、東京都の基準と色々な項目で違っており、東京都は東京都の基準で対応していく。政府の分科会ですから、政府のほうで対応していただきたい。医療体制はひっ迫していますが、危機のレベルは先週と同じという認識です」
と述べ、分科会の提言などまるで相手にしないという姿勢を示した。