GoToトラベルより「海外旅行客受け入れ実験」が怖い
しかし、GoToトラベルより、菅政権が考えている来春の「海外旅行客受け入れ実験」のほうを問題視すべきだという指摘も多かった。
「GoToトラベルもそうだが、先日、テレビで海外から帰国した日本人が空港から自宅までを当たり前のように公共交通機関を使っている映像を見た。改札の近くで『海外から来た人は専用車を使え』という看板持った人がいたが、強制力はない。日本人でさえこんな状態なのだから、海外旅行客を受け入れたら、日本はなめられてしまう」
「GoToよりも海外からの入国について調べて欲しい。先日の入国制限緩和により6万人以上が入国しています。そして来春には訪日観光ツアーを考えているとのこと。GoToトラベルなんかより、絶対こっちのほうが危ない。しかも今、感染拡大している地域は国際空港があるという共通点があります。国内の行き来は制限するのに、海外からの入国は緩和って...。こちらが頑張っても入ってこられたら意味がない」
「ニュースで見ましたが、台湾では入国後の隔離が厳格で、部屋から廊下に8秒間出ただけのフィリピン人に37万円の罰金が科されていました。日本は強制力がなく、緩すぎて話にならない。そんな状態でさらに緩めて大丈夫なのか」
尾身茂分科会会長に対しても、こんな批判が。
「尾身会長は、GoToが始まる直前に、『旅行で感染が拡大することはない』と発言して、GoTo開始にお墨付きを与えてしまいました。今ごろ、人の移動を減らせ、と言っても後の祭りです。政府への忖度が感染拡大の一因となったことを深く反省すべきでしょう」
「尾身さんの分科会ですが、全くデータを示さず、感覚的、官能的なコメントしかしなくて、自分は信用していない。例えば、ある日の感染者が2000人とした場合、2週間以内に...GoToトラベル利用者が〇〇%、GoToイート利用者が〇〇%、居酒屋利用者が〇〇%...とデータを示せばもっと説得力がでます。逆に大きな影響でない場合は、コメントがとんでもないミスリードとなる。以前、パチンコを一斉にいじめた時のように」
最後に「GoToトラベルには罪はない」とする意見も紹介したい。
「GoToトラベルを利用しても、感染していない人も多くいる。感染者の出ていない旅館や施設、観光地だって少なくない。問題なのはGoToトラベルを利用して、感染リスクの高い場所に行ったりしなかったかということ。歓楽街で飲み食いしたり、知人と酒宴をしたりすればリスクが高まるのは当然。感染防止に充分な配慮をしたうえで、GoToを利用していたかどうかが問題だ。GoToを利用したかしないかではなく、どういった場所、どういった行動によって感染したかを調べるほうが重要。GoToを利用しながらも、感染対策に気を使っていた者と、そうでないものの比較のほうが役に立つのでは?」
(福田和郎)