11月は株価が上がりやすい?
11月30日には、米バイオ製薬のモデルナが開発中の新型コロナウイルスワクチンを、米食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可を申請。早ければ年内にも実用化される可能性が出てきた。
一方、欧州では12月2日、イギリス政府がファイザー社とドイツの企業ビオンテック社が開発したワクチンを承認し、来週前半から接種を始めるとの報道があった。BBCなど複数のメディアは、ワクチンがファイザーの製造拠点があるベルギーから3日に到着したと伝えていた。
新型ワクチンの実用化に関しては、一部の専門家が慎重な姿勢を見せているものの、現時点で株式市場はワクチンへの開発期待を好感しているもよう。複数の大学や医薬品メーカーが、続々とワクチン開発に注力している。
ところで、2020年に関しては株式市場にとっての好材料が複数みられたものの、統計的に11月は株価が上昇しやすい、という話もある。
こうした経験則は米国市場の値動きに関して言われていることで、その背景には「ブラックフライデー」と呼ばれる、11月の第4木曜に行われる小売店の大規模セールが影響しているとされている。
今回は、その法則性が日本市場にも当てはまるか、検証してみた。
検証にあたって、開始年は1991年11月からの30年間とした。これは、1991年11月の取引開始日の日経平均株価が25000円台と、現在と大きく変わらない水準にあったためだ。すると、以下のような結果となった。
年度によるバラつきがやや大きいものの、30年間のうちで上昇した年は21年間もあり、平均騰落率はプラス1.7%となった。
もちろん、2020年のプラス15%と比べてしまうと、1.7%という数字は物足りなく感じてしまうかもしれない。しかし、30年前の日経平均株価が現在とほとんど変わらない水準にあったことを踏まえると、明確に上昇しやすいと言えるのではないだろうか。
もっとも、直近の日経平均株価の急激な上昇に関していえば、一部の専門家はバブル的な値動きだとして注意喚起をしている。だが、できることなら堅調な株価推移が今後も続いてほしいものだ。(ブラックスワン)