東京外国為替市場 ワクチン実用化が好材料、ドルを下支え
ドル・円予想レンジ:1ドル=1ドル=103円00銭~105円00銭
2020年12月4日(金)終値 104円14銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、レンジ内の取引となりそうだ。
前週のドル円相場は、レンジ内の動きとなった。米国の新型コロナウイルス感染拡大を懸念し、リスク回避のドル売りから一時1ドル=103円台半ばまで下落したものの、週末の11月の米国雇用統計の結果を受けて追加経済対策への期待感が高まったことで、ドル買いが優勢となり、1ドル=104円前半まで値を戻した。
今週のドル円相場は、引き続きドルの上値は重く、レンジ内での取引となりそうだ。12月10日のECB(欧州中央銀行)理事会での追加金融緩和策の期待感からユーロ買い・ドル売りが進み、ユーロ・ドルは2018年4月以来のユーロ高水準となっている。
これがドル売り・円買いにつながっており、ドルの上値は重い。ただ、米国での新型コロナウイルスのワクチン実用化の進展が好材料となり、ドルの下値を支えている。このため、ドルが大きく下げる可能性は低いと見られる。
経済指標は、国内では7日に10月の景気動向指数、8日に10月の家計調査と毎月勤労統計調査、7~9月期GDP(国内総生産)確報値、9日に10月の機械受注、10日に10~12月期の法人企業景気予測調査、11日にメジャーSQ算出日などが予定されている。
海外では、中国の11月の貿易収支、9日に中国の11月の生産者物価と消費者物価、10日にECB定例理事会とラガルド総裁会見、米国の11月消費者物価などが予定されている。
(鷲尾香一)